空対空レーザー、新しい兵器管制システムの開発へ

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アメリカ、ノースロップ・グラマン社は2016年11月1日、空対空レーザーの兵器管制システムの開発に着手することを発表した。戦争に於ける空中戦は機銃の時代からミサイルへと変遷し、現在は新たに指向性兵器・レーザーへの転換期を迎えつつあるようだ。

米国防高等研究計画局(DARPA)は2013年、「プロジェクト・エンデュランス」と名付けられた計画で、無人機に搭載するミサイル迎撃レーザーの開発を発表しており、概算要求を見ると「電気光学や赤外線で誘導する新旧の地対空ミサイルから、さまざまな滞空プラットフォームを守る『ポッド搭載レーザー』の技術を開発」となっている。
また、同じ年に空軍研究所(AFRL)は次世代戦闘機に搭載する空対空レーザーの仕様条件書を発表している。仕様条件書によると、高度65000フィートをマッハ0.6~2.5で飛行中の戦闘攻撃機(マルチロール機)が攻撃用兵器として使用するもので、敵戦闘機の目標補足の光学系を破壊するための低パワーレーザー、敵機から発射された空対空ミサイルを撃墜するための中パワーレーザー、敵戦闘機そのものを撃墜するための高パワーレーザーの3種類のレーザーを開発を行うことになっている。2022年に同仕様兵器を搭載した試験飛行、2030年に実戦配備を予定しているという。
アメリカ以外でも、2016年9月にロシアの国防産業コンツェルンであるラジオエレクトニック・テクノロジーが、レーザー兵器を搭載する新型飛行機A-60に関する発表を行っており、開発が進められていることが窺える。

このように、現在研究開発が過熱しつつある指向性兵器の場合、既存の誘導型兵器のように命中と同時に対象を破壊するのではなく、一定時間の継続したレーザーによる照射が必要となっている。その為、管制システムも従来通りのものではなく、新しい機能が実装される必要があるのだ。
既に、地対空用の指向性兵器の管制システムは構築され実用化もされているが、空対空に関しては、戦闘機に搭載するという事情から、その小型化は必須条件であり一からの開発となる可能性も高い。

今回、開発を発表された新管制システムは、既存の戦闘機の主翼に搭載可能なポッドとして開発予定で、2019年までに同時進行で開発を進めている戦闘機搭載用レーザー攻撃兵器と合わせて飛行実験を行う予定だという。


*参考動画:レーザー兵器によるロケット弾破壊実験(ロッキード社)

参考
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「執筆者:株式会社光響 緒方」