ドローンによるレーザースキャン

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日本の66%は森林で出来ている。
日本の国土総面積3779万ha、森林面積2510万ha、国土の3分の2は緑に覆われていることになる。従来の森林調査というものは手間とコストと人手が掛かる。衛星や空中写真による上空からの間接的な計測と、地上での直接計測が必要であり、特に地上調査は木の形状が複雑である為正確な計測が困難であること(時間経過と共に変化することも含め)、サイズや他の生物との混在で成り立っていること、容易に移動させることが不可能であること、そして、その数の多さも問題となっていた。更には、単価として高額な物ではない為、計測に掛けられる人件費等のコストにも制限せざるを得ない状況だった。

 図1

そこに一石を投じる技術が開発されている。土木計測に盛んに用いられるようになってきたドローンによるレーザースキャンを使って、森林計測を行おうという試みだ。樹木越しに地表の隆起を調査する際に取得される森林データを林業で活用する為の技術として、各社様々に開発に乗り出している。小型軽量タイプのレーザースキャナーを搭載した専用ドローンを使用することで、航空写真撮影よりも低コストとなると共に、航空機には不可能なドローンならではの地形に沿った低空飛行により、航空機レーザー測量よりも精密で高精度なデータ取得が可能となっている。

 図2
 図3

また、自動航行により設定された飛行プランを再現することもできる。何より、4人で2日がかりで計測していた範囲を、僅か10~30分程度の飛行で計測できるその効率性は画期的だ。既に実証試験を行っている企業もあり、計測した範囲の樹木を実際に伐採し照合するなど、実用化への動きを進めている。また、単木レベルでの森林資源解析技術により伐採計画や資源量の算出にも効果を発揮することが確認されている。

国連食糧農業機関(FAO)によると、日本の国土面積の森林率は68.5%(湖沼面積を含む為、前述とは異なる)で、フィンランド、スウェーデンに続いて世界第3位となっている。世界平均の森林率は約30%であることを考えると、その高さが窺える。資源に乏しい日本だが、森林資源に関しては他国を凌ぐレベルなのだ。現在はうまく活用されているとは言い難いこの森林資源を効果的に運用できるようになる為に、新しい森林計測技術が活用されていくのかもしれない。

株式会社光響(図2,3)

*森林・林業学習館
http://www.shinrin-ringyou.com/(図1)
*IoTNEWS
https://iotnews.jp/archives/43931
*REDD+平成24年度基礎講習
https://www.ffpri.affrc.go.jp/redd-rdc/ja/reference/03/201211_basic_chap04.pdf
*enRoute
https://enroute1.com/

「執筆者:株式会社光響 緒方」