レーザーガンシップ誕生か。2020年までに「ゴーストライダー」に搭載

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2017年6月、米陸軍が運用する攻撃ヘリ「AH-64アパッチ」へのレイセオン社製レーザー兵器の搭載実験が成功したことが発表され、攻撃ヘリへの実装が近いことが確認された。

これに続くように、2017年9月、今度は米空軍が2020年を目標に航空機搭載レーザー兵器の実用化を発表。具体的に期限を切っての発表は初となり、いよいよ現実味を帯びてきたことが窺える。

今回の発表によると、レーザー兵器を搭載されるのは「AC-130J ゴーストライダー」と「AC-130WスティンガーⅡ」。ロッキード・マーティン社製輸送機C130ハーキュリーズに武装を施した局地制圧用攻撃機、所謂ガンシップだ。

*AC130-Jゴーストライダー

AC-130は1973年に運用を開始された古参で、ベトナム戦争当時から現在まで活躍している。原型が輸送機であることから大量の弾薬の積載が可能な為射撃継続時間が長く、現在搭載されている火器も長射程・大火力のM102 105mm榴弾砲(AC130-Jのみ)、GAU-23/A 30mm機関砲、空対地ミサイルAGM-114 ヘルファイア等、強力なラインナップとなっている。

因みに、制式採用しているのは、確実に制空権を確保できるだけの空軍力を有しているアメリカ空軍のみとなっている。

2018年に先ず「AC-130W スティンガー」の30mm機関砲を撤去し、120kW固体赤外線レーザー砲へと転換しテストが行われ、最終的には「AC-130J ゴーストライダー」に180~200kWレーザーを搭載し、『レーザーガンシップ』として2020年を目途に実戦配備する予定だ。

現状に至るまでに、米空軍ではジャンボジェット(ボーイング747-400F型貨物機)にメガワット級酸素-ヨウ素化学レーザーを搭載した弾道ミサイル迎撃試験用軍用機「AL-1」の開発も手掛けたが、諸々の技術的問題と共に、あまりに高額な開発コストが足枷となり、2011年にモスボール保存が決定され、2016年には当該機は解体されている。技術研究自体は規模を縮小して継続されているとはいえ、実戦配備には至らなかった。

 図1

レーザー兵器の導入には残された課題もあり、大気による減衰や、使用が天候に大きく左右される、現状では充分とは言えない出力の問題等、実装に向けて問題となっている。その為、戦場での赤外線レーザーの有効性を疑問視する声は根強く、予算配分の優先順位はそう高くはないのが現状だ。

米空軍関係者は「挑戦する価値のある技術である。」として未だ研究段階であるとしながらも、問題解決に意欲的でありその為にも搭載試験は必須であるとの見解を示している。

レーザー兵器が実戦で使用可能となれば、弾薬を使用して攻撃する現在のスタイルは一変し、残弾の概念自体が消失することになる。電源が続く限りは無制限に攻撃し続けることが可能になるのだ。しかも、高コストな実弾と違い、レーザー兵器の一発あたりの単価は1ドル程度となれば、計り知れないメリットとなる。

レーザー兵器やレールガン等、次世代兵器開発は世界的に加熱しており、数百年続いた火薬兵器の時代からの転換は間近に迫っていると考えられている。

AC130への搭載試験が順調に進めば、史上初のレーザー搭載航空機として歴史に名を刻むことになるかもしれない。

参考
https://i.ytimg.com/vi/4Fs418BV7Qk/maxresdefault.jpg(Top画像)

*乗りものニュース
https://trafficnews.jp/post/78671/1

*live door NEWS
http://news.livedoor.com/article/detail/13716220/
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/17/YAL-1A_Airborne_Laser_unstowed.jpg/300px-YAL-1A_Airborne_Laser_unstowed.jpg (図1)

「執筆者:株式会社光響 緒方」