高密度三次元レーザーと高解像度ラインカメラ搭載。トンネル・道路の計測・解析サービスを開始。

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三菱電機は、自動焦点機能8K高解像度ラインカメラ(高速シャッターで一度に 1 ライン(縦 8,192 画素、横 256 画素)の画像を撮影)と、高密度三次元レーザーを搭載した「三菱インフラモニタリングシステムⅡ」を使用した、トンネル・道路・鉄道の計測・解析サービスを11月から開始することを発表した。三菱電機は2015年から同様のサービスの提供を行っており、今回はそれに新技術を追加しての新サービスとなる。

新システムは、自動焦点機能搭載の8K高解像度ラインカメラと、照明にはレーザーを使用して、壁面・路面撮影機能を追加している。50km/時以下で走行でしながらトンネルの詳細画像を取得し、ボルトの状態や漏水、ヒビ等の破損や不具合箇所の確認を、目視と同程度の精度で行うことが可能である。

100万点/秒での計測が可能な高密度レーザーを2台設置し、ミリ単位の精度で位置座標(緯度・経度・標高)を持つ200万点相当の高密度三次元点群データを収集し、設計図や完成図が古い場合、又は失われている場合でも三次元データから構造物の形状を正確に把握することができるようになっている。また、同一箇所の経年変化を過去の計測データとの比較によって検出し、点検箇所を絞り込むことも可能だ。

同社独自の画像解析アルゴリズムにより幅 0.3mm のひびを自動検出し、三次元データ解析結果とひび解析結果から、ひびに起因するうき・はく離等の変状を自動検出する。検出した結果を変状展開図に自動で反映し、手作業で作成していた点検時用、設計時用などの図面作成作業時間を削減ができる。

尚、この車両は軌陸車仕様で、道路、線路どちらの点検もスムーズに行うことが可能だ。

2014年に国土交通省は土木構造物や道路構造物の適切な維持管理の為に、トンネルや橋梁等の定期点検要領を定めている(5年に一度)。
日本国内のトンネルは、道路・鉄道を合わせて10,102本。その多くは一気に開発の進んだ所謂高度経済成長期に作られており、経年劣化、老朽化への対策は必須だ。
現在使用されているトンネルのうち、建造から50年以上が経過しているものは全体の約20%。これが10年後には34%、20年後には50%にまで増加することになる。

従来の職人による目視や打音検査による点検では追いつかないというだけでなく、点検の為の交通規制や検査に当たる人員の安全への懸念、膨大な時間と労力を必要とする等、多くの課題を抱えているわけだが、新技術が導入されればこの課題の多くが速やかな解決を見ることになるだろう。

三菱電機は、今後は橋梁等の計測に必要なセンサーや、トンネル壁面内部の空洞等目に見えない部分の計測解析技術の開発に取り組んでいく方針だという。この「三菱インフラモニタリングシステムⅡ」は、11月29日~12月1日に幕張メッセで開催される『第5回鉄道技術展』に出店する。

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20年後には半数が50年越え。トンネル保守点検はレーザーの時代へ。

参考
*三菱電機
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2017/1106.html
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2017/pdf/1106.pdf (画像1)
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2017/images/1106-3.jpg (Top画像)

執筆  株式会社光響 緒方