月夜にレーザーポインターを持って裏庭に行くと光速を超えられる話。

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光速、とはそのまま読んで字の如く、光が伝わる速さのことだ。毎秒約30万km、正確には299,792,458 m/s。ちょっと早すぎて想像が付きにくい速度だが、例えてみれば、月まで2秒かからず着ける速さだ。太陽までは8分ちょっと。まさにご近所さんを訪問するような時間しかかからない。
人間は色々な乗り物を発明して、速さの限界にチャレンジし続けてきたが、F1の最高速度:262.24km/h、新幹線の最高速度:320km、F15イーグル:マッハ2.5(3,087km/h)、と光速には
程遠い。

アインシュタインの言うように、宇宙には光速を超える速さは存在しないのか、人間は光速には届かないのか、と絶望する人々の為に、驚天動地の方法で高速を超える方法がyoutubeにアップされて話題を集めている。必要なものは、レーザーポインターのみ。
それを持って月夜に裏庭に出るだけで簡単に光速を超える方法は、以下をご覧頂きたい。

*How to break the speed of light

「宇宙では光よりも速く進むものは存在しない」という形で、アインシュタインの特殊相対性理論を覚えている人も多いかもしれません。しかし、それは間違いです。

アインシュタインはあくまでも「光はすべての基準座標系から同じスピードで移動する」と述べただけであり、これによって導かれるのは「質量を持った物体は光より速く移動できない」ということ。


しかし、これは必ずしも宇宙における速度の限界を示すわけではありません。

光速を超えるには、ひとまず裏庭へ出てみましょう。


そしてレーザーポインターを持って、月に向かって照射するのです。

そしてレーザーポインターを持った手首をクイッとひねり、月に照射したレーザーを左へ振ります。

 


すると、レーザーの点が月の表面を端から端まで(約350万メートル)移動するスピードは、なんと0.0005秒。

なんとこれは光の速さの20倍ものスピードです。私たちはこうやって、いとも簡単に光速を超えたスピードでレーザーの点を移動させることができます。

「いったいなぜこんなことが可能なのか?光速を超えて移動できるものは存在しないはずなのに?」と考えてしまうと、頭がオーバーヒートしてしまいそうです。ここで視点を変えて、「PCスクリーン上のピクセルは、いったいどれくらいのスピードで動けるのか?」と考えてみます。

答えは簡単、ゼロです。PC上のピクセルは動きません。

しかし、ピクセルを光らせたり消したりといったパターンにより、私たちはPCスクリーン上でピクセルが動いているかのように「視覚的には」感じることができます。私たちは「ピクセルの動くスピードはゼロ」という事実を覆したも同然なのです。

実は、月面上のレーザーポイントで起きている現象も同じこと。

レーザーの粒子は物理法則の通り、きっちりと光の速さで月へ向かっています。月面に映るレーザーポイントの点だけが、光速を超えたスピードで移動しているだけなのです。

「月面上のレーザーポイントが光速を超えて移動した」という現象の中では、「実際に光を超えて動いたもの」など存在しておらず、何一つ物理現象が覆されたわけではありません。視覚情報として観測できる「イメージ」だけが光を超えただけ。残念ながら、私たちは光を超えたスピードでメッセージを送ることはできませんし、テレポートも不可能。

ここまでついてきた人の中には、「いくらレーザーポインターと言えども、月に到着するときには相当な大きさの円に広がってしまっているのでは?」と考えた頭のキレる人もいるはず。

使用するレーザーポインターにもよりますが、地球から照射したレーザーポインターが月面に届くときには、およそ500から5000キロメートルの大きさの円となっているでしょう。

「あなたが照射したレーザーポインターのせいで『月面歩行中の宇宙飛行士が失明してしまった!』という事故は起こりえないので、どうか安心してください」ということでムービーは締めくくられました。

結論としては、やっぱり実際に光速を超えることは出来ていないわけなのだが、光事情に詳しくない人にも分かりやすい説明もあって話題を呼んでいるようだ。

最後に、物質が現実に光速で移動した場合に起こる、驚愕の事実を一つ。

質量を持つ物質が移動する時、速度が2倍になるとエネルギー量は4倍、つまり速度の2乗になるわけだ。(質量は1乗)。

これを踏まえて、例えば1gの物体が10m/sで移動すると、運動エネルギーは0.05J(ジュール)。この秒速を音速にすると57.8Jに跳ね上がる。

そして更にこれを光速にすると、44兆9377億5894万ジュールという驚愕の数値を叩き出すことになる。単純計算で原爆1発分に匹敵する勢いのエネルギーだ。

たった1gでこの破壊力。光速で航行するロケット、なんてものは人類の夢の最たるものの一つだが、空っぽに見えて結構いろいろ浮遊している宇宙空間を光速で突き進んだら、とんでもない大惨事となることは免れそうにない。

人類の光速への夢は、まだまだ道程が長そうだ。

参考

*GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20171216-break-the-speed-of-light/ (図1~17)

 

*DS930810のブログ
http://www.rigelultragiant.com/entry/2017/07/30/230502

執筆者:株式会社光響  緒方