レーザー兵器搭載予定の揚陸艦、RIMPACの旗艦に

RIMPAC(環太平洋合同演習)は、米海軍が主催するハワイ周辺海域で行われる各国海軍の合同軍事演習だ。1971年から基本的には隔年で行われ、自衛隊は1980年から参加しており、前回は2016年。今年2018年は実施年に当たる。米海軍の発表では、今回のRIMPACでは、4月に就役を予定している新鋭ドック型輸送揚陸艦ポートランド(LPD-27)が旗艦となる。このポートランドには、現在ドック型輸送揚陸艦ポンス(LPD-15)にて2014年から試験を行ってきたレーザー兵器「LoWS」のデータを基に開発された新型レーザー兵器を、今秋から搭載する予定とのこと。搭載されるのはデモンストレーション用であり、ポートランド以降に建造されるフォートローダーデール(LPD-28)等への装備予定は無い見通しだ。

また、「LaWS」と同等の性能且つ取り付けの容易な仕様となる見込みで、現在多くの艦に装備されている垂直発射システム(VSL)のスペースに設置できるよう、設計されているという。

「LaWS」はペルシャ湾で実射実験を行い、小型船への攻撃やドローンの撃墜に成功し、その映像も公開されている。しかし、天候に左右される点や、現段階ではあくまでも小型船やドローンを対象とした低エネルギーの試験的なレーザー兵器だ。エネルギーレベルの調整により、敵機の破壊も可能だとは言うが、実際の戦闘になれば従来の兵器が主力となる。高出力エネルギーによるレーザー兵器は、米海軍によれば、2017年の段階で「開発中」である、との広報官の発言もあり、今回ポートランドに搭載される予定の「改良型LaWS」の性能は、どの程度なのだろうか。

今回の発表では、残念ながら詳細を明らかにされなかった新レーザー兵器。その威力や性能と共に、今後のレーザー兵器の位置づけにどう影響を与えていくのか、気になるところだ。

参考
*おたくま経済新聞
http://otakei.otakuma.net/archives/2018012002.html
http://otakei.otakuma.net/wp/wp-content/uploads/2018/01/fbe0fcd2c008d82d205047cf0222ce65-e1516426781775.jpg (Top画像)

*BUSSINESS INSIDESR JAPAN
https://www.businessinsider.jp/post-100765

https://i.gzn.jp/img/2014/12/12/us-navy-laser-weapon-movie/00-top_m.jpg
(図1)

執筆者: 株式会社光響 緒方