レーザー搭載車で電柱点検を効率化。センチ単位での把握が可能。

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日本全国の電柱の総数は、平成24年時点で3,552万本。内訳は電力が2,369万本、通信が1,183万本。平成20年は3,525万本。内訳は電力が2,340万本、通信が1,185万本だ。27万本の増加だが、増えているのは電力用の電柱のみで、通信用は減少傾向にある(国土交通省)。電柱を無くして地下にケーブルを埋める工事が行われているとはいえ、なかなか進み辛いというのが現実のようだ。

というわけで、日本人と電柱の付き合いは今しばらく続くわけだが、電柱にも耐用年数はあり、更に電柱にかかっている電線のチェックは必要不可欠なものだ。何しろ、水道、ガスと並ぶ必須のライフライン、もしトラブルで停止すれば、不便極まりない時間を過ごすことは避けられない。
当然のこと、日々チェックは行われている。一本一本を目視で。

3,552万本を5年毎に目視で。しかも年々数が増加している。ちょっと気が遠くなるような作業だ。必要とは言え時間もかかり、人件費も労力もかかる大変な上に地道な仕事だ。この作業に新技術が導入されようとしている。NTT東日本は、2018年度から屋根にMMS(Mobile Mapping System)を搭載した車両を用いた電柱検査を開始する、と発表した。360度カメラとGPSセンサー、後方には高密度3Dレーザースキャナーを装備し、秒間100万点の点群データを取得可能だ。時速30~40kmで走行しながらのデータ収集が行える。収集されたデータを基に点群データをモデル化すれば、電柱の傾きやたわみ等の異常を検出するだけでなく、その異常がどの程度かをモデルを使ってcm単位で把握することも可能だ。

(画像1)

東京・小岩で2016年に実施された試験運用では、エリア内に設置された約1万本の電柱のうち2千本を1日で点検でき、単純計算で平日5日間でこのエリアのチェックが終了可能、ということになる。


(画像2)

また、取得データは、NTTコムウェアの「データキャンバス」技術を用いて、360度カメラの撮影画像(上段右)、点検対象となる設備データ(上段左)、点群の描画画像(下段右)、異常箇所マップ(下段中央)、そして、マップ上で指定した電柱の3Dモデル(下段左)と、複数のデータを一括して表示される。センターで電柱・電線・支線の状態を集中管理・診断することで、必要な現場に必要なだけの技術者を効率的に派遣することが可能だ。

NTT東日本の技術ということで、先ずは通信用の電柱点検から、といったところだろうが、電力用の点検にこの技術が取り入れられるのに、そう時間はかからないだろう。既に橋脚やトンネルの安全点検に用いられていることもあり、普及は早いのではないだろうか。

最後に、電線地下化してしまえば点検いらないよね、と少しでも思った方に無駄知識を。電線の地下化作業費用は、土木工事だけで1kmあたり3.5億円。追加で電気設備工事もかかるので1.8億円上乗せの、合計5.3億円/km。また、電線の地下化工事は400mが施行単位となっているのだが、この400mの工事を完了するのに約7年。ちょっと工事関係者の方々の苦労が忍ばれる、というか現実は過酷だ、というか、電線地下化事業があまり進んでいないように感じられる理由に納得するほかはない。費用も労力も莫大だ。因みに、電柱一本の価格は7~8万円。設置費用は30万円前後が相場となっている。地下化費用を知った後では、激安商品に見えてしまう。将来的には姿を消してしまうだろう電柱だが、当分の間は現役続行、点検管理は必須だ。この技術の活躍の場は大いにあると見ていいだろう。

*リスク対応.com
http://www.risktaisaku.com/articles/-/4568
http://www.risktaisaku.com/mwimgs/c/d/670m/img_cd28c2968a2bdaed6baed334b8e2a548228803.jpg (Top画像)

*businessnetwork.jp
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/4924/Default.aspx
http://businessnetwork.jp/Portals/0/Data/2016/10/25/tsukuba05.jpg?11692155124939 (画像1)
http://businessnetwork.jp/Portals/0/Data/2016/10/25/tsukuba03.jpg?11692154932384 (画像2)

*つくばフォーラム2016ワークショップ
http://www.ntt.co.jp/journal/1702/files/jn20170251.pdf

*不動産実務TIPS
https://reatips.info/densen-chichuka/</!–NoAds–>

執筆者:株式会社光響 緒方