光交換の世界記録、毎秒53.3テラビット光信号の高速スイッチング実験に成功

ポイント

  • 1回の経路切替時間80ナノ秒の光スイッチシステム、1秒間に390万回のスイッチングを達成
  • 1秒間に非圧縮8K映像370チャネル相当の光信号に対応可能
  • 光スイッチシステムと次世代光ファイバで、大規模データセンタの省スペース化・省エネ化に貢献

NICTネットワークシステム研究所は、光ファイバで伝送されたパケット信号の経路を切り替える光交換技術において、従来の世界記録を4倍以上更新し、毎秒53.3テラビットの光パケット信号のスイッチング実験に成功しました。本実験では、次世代光ファイバ技術である大容量マルチコア光ファイバに接続可能な高速並列光スイッチシステムを開発し、各コアの光信号の一括切替えに成功しました。1回の経路切替えに要する時間は80ナノ秒と高速で、1秒間に390万回以上のスイッチングを達成しました。今回の実験成功により、光スイッチシステムが大規模データセンタなどのビッグデータが流通するネットワークのスイッチとして適応可能であることを示しました。次世代光ファイバと光スイッチシステムを利用すると、ネットワーク装置の設置スペースの大幅な縮小や消費電力の低減が可能となります。なお、本論文は、第43回欧州光通信国際会議(ECOC2017)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択されました。

背景
ネットワークを流れる情報量が世界規模で急増し、従来の光ファイバを更に増設する方法では、将来の通信需要にこたえられなくなることが見込まれます。そこで、NICTは産学と連携し、1本の光ファイバに7個から36個の光通信路(コア)を収めたマルチコア光ファイバを開発し、伝送容量の世界記録を更新してきました。さらに、マルチコア光ファイバで構成された網状の通信路を伝わる情報の経路を自在に設定し、瞬時に変更する交換機能を実現するため、光スイッチシステムの研究開発を進めてきました。

今回の成果

高速スイッチング実験の写真

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