レーザーで人との距離を測りつつ「見よう見まね」学習するロボット。

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未来世界の生活を思い描いた時に多くの人が考え付くものの中に、人間のように働くロボット、があると思う。工場等で使われている、例えばアームだけの形の物ではなく、人に近い形をしたロボットが飲食店やスーパーでごく普通に、人間のように働いている光景だ。しかし、現実問題としてロボットが人間のように労働をこなす、というのは相当に難しいことだ。行動の一つ一つを状況に応じてプログラミングして行く手間を考えると、どれ程の情報が必要になるのか計り知れない。人間が、違和感無く容易に行っている行動は、人間が思っている以上に複雑で、臨機応変なものなのだ。この問題の解決に、新たな技術が回答を示そうとしている。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が開発した、『見よう見まね』技術だ。


この技術は、人間がする振る舞いをロボットが『見て』覚えてくれる。つまり、人が人に教えるように、学習させることが出来るのだ。先ず、人間は、スマートフォンアプリから「店舗前で呼び込み」「お客様に話しかける」と言った行動内容を選択し、次に、それをロボットの前で実演する。すると、ロボットは背面に取り付けられた360度対応のレーザー距離計、内蔵されたマイク、店舗内に設置されている環境センサーで人間の動きや距離感、発話内容等を自動で記憶し、実行に移すことができるというのだ。

宣伝・広告・接客等をロボットが行う所謂「ロボットサイネージ」の導入が進み始めてはいるが、実際にロボットが労働力として成立するには、人に近い常識的な立ち居振る舞いは不可欠。とは言え、現場とは関わりの薄い開発者やエンジニアが現場からの要求を正確にプログラミングで再現するのは難しく、どれ程意見交換をしても食い違いは必ず出る。更に、開発コストは高く、労力も必要とする。対して、この『見よう見まね』技術は、正に、やって見せるだけ。時間はかからず、労力も最低限だ。コストも格段に抑えられるだけでなく、現場ごとの特性に合わせた学習を、人が人に教えるのに近い方法で直接させることができる、というのは画期的だ。例えば、一人非常に優秀な店員がいたと仮定して、その人の振る舞いを学習させれば、同様の能力を持つ人を大量コピーできることになる、という可能性もある。この技術は既に大阪住之江区の複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター」で実証実験を実施し、効果的な働きをすることが確認されており、今後は各地の商店街等への導入を進めて行く予定だという。

参考
*AI+
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1706/01/news133.html
http://image.itmedia.co.jp/news/articles/1706/01/kf_atr_01.jpg(図1)

*cnet Japan
https://japan.cnet.com/article/35102095/
https://japan.cnet.com/storage/2017/06/01/589e1df2d8b42f2be6cf732a9fbd2a49/atr01.jpg(図3)

ニュースイッチ 日刊工業新聞
http://newswitch.jp/p/9221
http://c01.newswitch.jp/index/ver2/?url=http%3A%2F%2Fnewswitch.jp%2Fimg%2Fupload%2FphpXHoUWj_592e8c9e620ee.jpg(図2)

「執筆者:株式会社光響 緒方」