京阪電鉄は大同信号(株)と共同で開発を進めてきた、2次元レーザーレーダーを用いた踏切障害物検知装置の実証試験を、丹波橋通踏切道で2月24日から開始することを発表した。新しい検知装置は、既存の装置がカバーしていた水平面に加え、踏切入口の垂直方向にも検知エリアを設置し、踏切道外から水平面の検知エリア上部への侵入物も検知が可能となっている為、実質的には3次元検知と同等の機能を持つことになるだろうとされている。
2次元レーザーレーダを使って水平、垂直双方の検知を行う踏切障害物検知装置は日本で初の試みだ。試験期間は6カ月。2018年度下半期には本格稼働を予定している。日本国内の平成26年度の踏切事故発生件数は254件。前年比14.5%減となっているが死者数は95人と1.1%増だ。踏切保安設備の整備等で長期的に見れば、踏切内での事故は減少傾向にある。
発生事故のうちの半数は列車が通過する直前の横断等、交通側が原因となっている。
警報が鳴って遮断機が下りているのに、「急いでいるから」、「まだいける!」と思ってくぐろうとした、というところなのだろうか。行ける!と思うのは完全に思い込みなのでやめておくべきだろう。例え遅刻しそうで急いでいても、遅刻で命は落とさないが列車と衝突すれば高確率でその可能性があるので、こちらもやめておくべきだ。
次いで多い踏切内でのエンスト等だが、この場合は焦らずに発煙筒を焚き、警報ボタンを押すことで大きな事故は避けられる。場所が場所だけにパニックになって咄嗟には適切な行動をとることが難しいかもしれないが、落ち着いて対処することをお勧めする。因みに、ドライバーが適切な対処を行っていた場合は、電車遅延で生じる賠償金を請求しない、という慣例もあるそうだ。
せっかく減少傾向にあるのだから、踏切事故0になるよう、この京阪電鉄の新システムが活躍してくれることを期待している。
*京阪電鉄
http://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2018-02-21_humikiri.pdf
(Top画像、図1、2)
*内閣府
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h27kou_haku/zenbun/genkyo/h1/h1b2s1.html
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h27kou_haku/zenbun/genkyo/h1/img/h1_zu1_41.gif (図3)
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h27kou_haku/zenbun/genkyo/h1/img/h1_zu1_42.gif (図4)
執筆者:株式会社光響 緒方