(LiDAR関連)日本初、ブロックチェーン活用のLiDARネットワーク基盤を京都大学らと産学連携にて開発&社会実験開始

〜自動運転&スマートシティ実現の要となる基盤技術を確立へ〜

株式会社ガイアックス(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:上田祐司、証券コード:3775、以下 ガイアックス)は、新熊亮一教授(現、学校法人芝浦工業大学(東京都江東区)、2020年度まで国立大学法人京都大学(京都市左京区、以下、京大))らと、ブロックチェーンを活用したLiDARネットワーク基盤のシステムソフトウェアを開発し、2021年4月1日より京大図書館等での社会実験を開始したことを本日発表します。当基盤は複数の場所に設置されたイメージセンサのデータを統合することで「死角ゼロ」を実現し、自動運転車や宅配ロボット、警備ドローンなどのさらなる性能向上や、イメージデータの新たな利用用途の創造を目的としています。当社会実験では、実地のデータを取得・共有し、AIの学習を進め、2023年3月までの産業化を目指し、基盤技術のいっそうの改善をおこなっていきます。

開発背景:自動運転やスマートシティの実現に重要なイメージセンシングネットワーク基盤技術
今回開発をおこなっている基盤技術は国立研究開発法人科学技術振興機構(以下 JST)の戦略的創造研究推進事業「さきがけ」による研究成果として生み出されました。そして、社会実験は国立研究開発法人 情報通信研究機構(以下 NICT)の委託研究「データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)」の一環として実施されます。
画像や3Dイメージデータは大容量であり、ネットワークに負荷をかけてしまうという課題に対し、従来は人の目の見え方に基づいた圧縮がおこなわれてきましたが、AIの目に基づいてデータを軽量化するという斬新で独創的な技術への取り組みが評価され、スマートシティなどで広く使われる技術となることが期待されています。
自動運転において、車両に搭載されたカメラだけで衝突予測をおこなうには困難が伴います。カメラでは交差点の先や物陰といった死角や、遠く離れた場所を認識できないためです。この課題を解決するため、道路に設置されたカメラから、情報を補う方法が考えられます。イメージデータを共有することによって、解決できる課題は他にいくつもあります。本開発では、このような活用を視野に入れて、自動運転やスマートシティなど未来の社会における重要な要素となる技術の開発をおこなっていきます。

現状:基盤技術を開発完了、自動運転やスマートシティの実現に向けた社会実験に踏み出し
本基盤は、複数のイメージセンサ(LiDAR※1やカメラ)から取得したデータを統合した広範囲に渡るデータを、ブロックチェーンによってリアルタイムに保護した状態で共有できるようにし、AIによる予測検知や、自律制御のためのデータ共有などへ応用可能にしたものです。屋外では自動車や、ロボット、ドローンの自律移動における制御への応用、屋内では犯罪・事故・三密の予測検知への応用が期待されます。
本開発は、主として京大、株式会社エクサウィザーズ(東京都港区)、ガイアックスによるもので、2020年3月まで研究室レベルの開発がおこなわれました。ガイアックスはブロックチェーン技術および、クラウド技術を使ったデータ共有基盤を担当しています。

本基盤で扱う、AIへの学習データや、事故予測といった、改ざんが発生すると事故につながる領域において、ブロックチェーンを使いリアルタイムにデータの正しさを担保することによって、改ざん耐性を持たせています。また、一般的にブロックチェーンはリアルタイムな処理について苦手としていますが、独自のアグリゲーション技術※2を開発し、最小限の遅延で改ざん耐性をもたせることの実現を目指します。
今後の社会実験では、エリアを増やしながら、データの利活用の検討から産業化へ向けて、産学共同での研究・開発を進めていきます。

※1:
光センサーを用いて、3次元の形状が取得できるカメラ。自動運転のセンサーとしてよく使われており、iPhone12やiPadのPro以上の機種にも搭載され、暗闇でのカメラのフォーカス調整や、3D物体スキャナとして使われています。

※2:
データを最適な量に集約する技術のこと。本基盤では、多くのデータを集約すると遅延が発生するため、最適化処理をおこなっています。

社会実験概要
実施場所

  • 京都大学桂図書館(京都市西京区)
  • 京都リサーチパーク地区(京都市下京区)
  • 百万遍交差点北(京都市左京区 エクサウィザーズ京都オフィス前)

実施時期: 2021年4月から2022年3月
実施内容:

これまでに開発してきたシステムを稼働させ、実地での複数LiDARを用いた3Dイメージデータの取得ならびにそれらを統合したネットワーク基盤の構築し、実環境での稼働実験を実施します。
実施目的

  • 京都大学桂図書館: 三密の検知
  • 京都リサーチパーク地区・百万遍交差点北: 交通事故のリスク予測

今後の展望
スマートシティにおいて、住民に安心安全を提供するスマートモニタリングは基本サービスとなります。ブロックチェーンを活用したLiDARネットワーク基盤はそのスマートモニタリングを実現する技術です。本基盤は2023年3月までの産業化を目指します。
引き続き、自動車の運転支援にとどまらず、将来的には自動運転車や、宅配ロボット、警備ドローンなどの「死角をゼロにする」役割を担うことを目指し、実地におけるデータ取得・共有し、AIによる学習を進め、基盤技術としてのブラッシュアップをおこなっていきます。

芝浦工業大学 新熊亮一教授コメント
スマートシティは、研究者やエンジニアなどすべてのものづくりに携わる人々にとってチャンスです。携帯電話がスマートフォンにトランスフォーメーションしたことで何が起きたかを思い出していただくとよいとおもいます。様々なサービスをプロトタイピングしトライアルするチャンスが多くの人々に開かれました。スマートシティでは実空間を舞台として同様のチャンスが開かれます。研究成果や技術が人々を豊かにする社会作りに貢献すべく、分野横断の産学官連携によるオープンイノベーションを推進して参ります。

ガイアックス 峯荒夢コメント エッジコンピューティングをブロックチェーンで加速

IoTとブロックチェーンの組み合わせは相性がいいと言われています。IoT機器に接続されたセンサーが収集したデータを5G技術を通じてリアルタイムにクラウドへ保存し、データの管理をブロックチェーンでおこなうことにより、データの真正性を担保しながら、データへのアクセス権の管理もおこなうといった用途での活用が期待されています。またクラウドに保存されたデータを用いて、AIによる学習をおこない、その学習結果を自動運転や各種検知に活用することができます。
本開発を通じて、そのIoTにおけるユースケースの一つの解を作っていくとともに、ブロックチェーンの課題としていた「高速での書き込みができない」という問題の解決に挑戦しながら、将来的にはスマートシティにおいても重要な役割を持つシェアリングエコノミーへ本技術を活用していきたいと考えています。

高校生インターンによる開発
ガイアックスは、若手を中心とした新しい未来を創りたい人を支援し、初期の事業検証から、出資後の経営支援までおこなう組織が「Gaiax STARTUP STUDIO」です。リーンスタートアップをベースとして同時多発的に複数の新規事業を起ち上げています。ガイアックスではこの若手中心としたプロダクト開発体制を作るために、若手が経験を積み活躍する場の提供もおこなっています。

本開発においても、先進的なプロダクト開発の現場での経験を求める高校生エンジニアインターンが開発に参画し、経験を積み活躍できる場を提供することで、彼らのポートフォリオに載せられる実績を積みたいというニーズに応えしました。

納本 穂高(エンジニアインターン)

今回私はストリーミングデータ処理とサーバーサイドの開発を担当しました。そもそもインターンという経験が初めてで最初は少し不安もありましたがチームの仲間たちに支えられながら楽しく開発をおこなうことができました。

 

 

高橋 風宇多(エンジニアインターン)

ブロックチェーンやストリーミングデータ処理、クライアント処理など仲間たちや峯さんにサポートしてもらいながら開発することができました。こういったチームで大きなものを作り上げるという貴重な経験をさせていただき本当に楽しかったです。

 

 

星 孔晴 (エンジニアインターン)
ブロックチェーンの開発は初めてで、あまり多くの理解は無かったもの開発を進めていくうちに深い理解が得られて、非常に新鮮な経験を積むことが出来ました。今後も、ブロックチェーンに関する開発をおこなっていきたいと思っています。
 
 

出典:
https://www.gaiax.co.jp/blog/lidarnetwork-systemsoftware/

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