本研究のポイント
◇超流動ヘリウム中の微粒子の不可解な運動は、直接見ることのできない量子渦が操っていることを数値計算により証明
◇レーザー光を照射して液体ヘリウムに漬けた金属から生成した微粒子を液面でキャッチする技術を開発
◇物理学分野において世界トップジャーナルである『Physical Review Letters』に掲載
概要
大阪市立大学大学院 理学研究科の坪田誠教授、理化学研究所 創発物性科学研究センターのPeter Moroshkin元研究員(2018年4月より沖縄科学技術大学院大学所属)、同センターの河野公俊チームリーダー(2018年4月より国立交通大学所属)らの研究グループは、極低温の超流動ヘリウムの表面に浮かせた微粒子の中で不可解な動きをする一群の粒子運動は、量子渦の動きに起因していることを明らかにしました。私たちの周りには、気体や液体のさまざまな「流れ」があります。そうした流れを理解するために理学や工学など多くの分野で膨大な研究が行われてきましたが、まだ十分な解明はなされていません。約500年前、レオナルド・ダ・ヴィンチは、複雑に乱れた流れ“乱流”のスケッチを描き、“渦”こそが、流れを理解する上で重要な鍵となることを指摘しました。
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