ポイント
- 長期間運転可能なイッテルビウム光格子時計を開発し、その誤差要因を詳細に検証
- 多数のレーザーを光周波数コムで制御することで、光格子時計の安定な動作を実現
- 秒の定義改定に向けて、国際的な標準時である国際原子時への貢献に期待
概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)物理計測標準研究部門【研究部門長 藤間 一郎】時間標準研究グループ 小林 拓実 研究員、赤松 大輔 主任研究員、安田 正美 研究グループ長、周波数計測研究グループ 稲場 肇 研究グループ長は、横浜国立大学と共同で、長期運転できるイッテルビウム光格子時計を開発した。近年、光格子時計など光を用いた原子時計の進展は目覚ましく、国際度量衡局で開催されたメートル条約関連会議において、2026年頃をめどに、時間の単位である「秒」の定義を現行のマイクロ波から光に基づく定義に変更することが検討されている。定義改定に向け、国際的な標準時である国際原子時の精度向上に貢献できること、原子時計自身の精度を向上させること、などの必要条件が示され、これらの条件を達成すべく、さまざまな原子を用いた研究が各国で展開されている。光格子時計が国際原子時の精度向上に貢献するためには、長期間の運転が不可欠となる。しかしながら、光格子時計は多数のレーザー光源を必要とする複雑な装置であるため、長期間安定して動作させることは難しい。
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