NICTは、超小型衛星(SOCRATES)を使い、東京都小金井市にあるNICT光地上局との間で、光子一個一個のレベルで情報をやり取りする量子通信の実証実験に成功しました。SOCRATESは、重量50kg、サイズ50cm角で、衛星量子通信用途としては世界最軽量・最小サイズの衛星です。この衛星にはNICTで開発した小型光通信機器(SOTA)が搭載されており、毎秒1千万ビットの速度で光の信号を地上局へ送信します。地上局では光子一個一個の到来を検出しながら信号を復元することで、高度600kmを秒速7kmで高速移動する衛星との量子通信を実現しました。超長距離・高秘匿な衛星通信網の構築に向けた大きな一歩となります。
本成果により、これまで大型衛星を必要とした衛星量子通信が、より低コストの小型衛星で実現できるため、多くの研究機関や企業による開発が可能になると期待されます。今後の宇宙産業の発展に向け新たな1ページを拓く成果です。なお、この成果は英国科学誌「Nature Photonics」のオンライン版に日本時間7月11日(火)午前0時に掲載される予定です(誌上掲載は8月号)。
※ 本研究開発の一部は、内閣府 総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の支援を受けています。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。