レーザービームを用いて気象操作をする研究が進む

米カリフォルニア州で6年続いた干ばつも今年ようやく終息が宣言されたが、世界の各地では干ばつの脅威が深刻なままだ。だが科学者なら、高エネルギーのレーザーを用いて雨や雷雨を発生させることが可能なのかもしれない。そうであれば各地で頻発する干ばつ被害を一掃するだろう快挙である。米セントラルフロリダ大学とアリゾナ大学の専門家は、レーザービームを放つことで静電気を活性化し、雨や嵐を発生させることが可能であると考えている。


ビームが放たれると、それはエネルギーを保管するように働く別のビームによって覆われる。レーザーが拡散することなく長距離にわたり持続することが可能なのはこのためだ。だが、この強度を十分に高めると、通常とは異なる挙動を示すようになる。内側に崩壊するのだ。この崩壊によって空気に含まれる酸素と窒素の電子が裂かれ、プラズマが生じる。電子のスープとでも言えるものだ。これは「フィラメンテーション」といい、拡散する前のつかの間だけ”光の糸”を生み出す。そのフィラメントは励起電子を作り、これによって雨や雷の形成に不可欠な条件の種まきを人工的に行うことができるのだそうだ。


1つの妙案として任意の長さの”フィラメント延長ケーブル”を作り出すことが考えられる。そのためには、フィラメントを大きくかつ低強度のドーナツ状”ドレス”ビームで巻いて、ゆっくりと内側に動かせばいいことが判明した。この方法でフィラメントの長さを制御できるため、遠方からでも雨の形成に必要な条件を作る種まきができる可能性があるという。このアイデアを進めれば、いずれは雨や雷を広範囲で人工的に制御できるようになるそうだ。

出展:http://karapaia.com/archives/52246855.html