要点
- 超高圧合成でしか得られなかった四重ペロブスカイト酸化物の薄膜化に成功
- 堆積する下地の材料を変えながら格子に与える歪みを制御
- 磁気異方性を変化させて垂直磁化を実現
概要
東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の重松圭助教、清水啓佑博士研究員、Hena Das(ダス・ヘナ)特任准教授、東正樹教授らの研究グループは神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)と共同で、マンガン・銅・セリウム・酸素からなる超高圧相の酸化物(化学式:CeCu3Mn4O12)を高品質な薄膜として合成することに成功した。実験による合成と第一原理計算による予測によって、CeCu3Mn4O12薄膜の結晶格子に与える歪みの影響を調べ、面内に圧縮歪みを印加することで垂直磁化膜になることを発見した。垂直磁化膜は高記録密度磁気メモリーやスピントロニクスに重要な特性であり、新たな電気・磁気機能材料の開発につながると期待される。
研究グループには上記のほか、東京工業大学 物質理工学院 材料系の山本一理、西久保匠の大学院生2氏と科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所のSergey A. Nikolaev(ニコラフ・エイ・セルゲイ)特任助教、神奈川県立産業技術総合研究所の酒井雄樹常勤研究員が参加した。研究成果は10月22日に米国化学会誌「Applied Electronic Materials(アプライド・エレクトロニック・マテリアルズ)」のオンライン版に掲載された。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。