(レーザー関連)目視ではわからない顕微鏡動画を理論的に解析し結晶化現象の前兆となる分子集団挙動の可視化に成功

国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム部門の花崎逸雄准教授、埼玉大学の吉川洋史教授、奈良先端科学技術大学院大学の杉山輝樹客員教授らは、溶液中で分子が結晶化する過程について、レーザーを照射して生じる力で核生成の場所を操り、その過程を捉えた顕微鏡動画を解析することにより、動画の目視ではわからない核生成前の分子群の様子を可視化することに世界で初めて成功しました。ここで得られる知見は今後、多様な分子の結晶化が欠かせない創薬の産業や材料科学・生物・医学への応用が期待されます。

本研究成果は、The Journal of Physical Chemistry Letters (IF = 7.329)(11月21日付)に掲載されました。
論文名:Spatiotemporal Dynamics of Laser-Induced Molecular Crystal Precursors Visualized by Particle Image Diffusometry

URL:https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jpclett.9b02571

現状:
溶液中の分子の結晶化は、物質の状態変化として物理学の基礎を成す極めて重要な研究テーマです。さらに、分子の立体構造を特定するために結晶化が必要なため、材料科学・生命科学や創薬産業など、基礎科学から産業に至るまで実用上でも重要です。しかし、結晶が現れる前は分子の集まりが液体の中を漂う状態であり、この時の分子の集まりは小さすぎて顕微鏡でも見ることができません。創薬や生命科学では多様な分子を結晶化する必要があるので、結晶化の難易度が分子の種類によって異なる謎を解くためにも、まさに結晶化が始まるその直前までの段階で分子の挙動を知ることが理想的です。

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