NEDOプロジェクトにおいて、(株)島津製作所と大阪大学は、青色半導体レーザー装置の世界最高出力1kWを実現しました。これは、同プロジェクトで昨年達成した出力の10倍です。この高出力化によって、従来の青色半導体レーザー技術では難しいとされている数ミリメートル厚の銅や金のレーザー切断加工の実現に向けて前進しました。本技術は、航空・宇宙・電気自動車などの産業において、部品加工に活用されることが期待されます。
なお、(株)島津製作所と大阪大学は、1月30日から2月1日まで東京ビッグサイトで開催される「TCT Japan 2019」に、今回開発した青色半導体レーザー光源、光源を搭載した加工装置、実際に加工したサンプルなどを出展し、デモンストレーションを行います。
1.概要
青色半導体レーザーは金属に対する吸収効率が高く、赤外半導体レーザーでは困難とされる銅や金などの加工に適しており、次世代レーザー加工機用の光源として応用が期待されるほか、熱伝導型溶接やレーザーマーキング用の光源として用途が広がりつつあります。一方で、数ミリメートル厚の金属の切断やレーザー焼き入れ、溶融・蒸散を伴うキーホール型溶接には、さらなる高出力化と高輝度化が必要とされています。
そこで、NEDOプロジェクトにおいて、株式会社島津製作所と国立大学法人大阪大学接合科学研究所 塚本雅裕教授らは、日亜化学工業株式会社の協力のもと、青色半導体レーザーの高出力化と高輝度化を追求してきました。
そしてこのたび、(株)島津製作所と大阪大学は、青色半導体レーザー装置の世界最高出力1kWを実現しました。これは、同プロジェクトで開発した出力100Wの従来品の10倍の出力です。この成果は、青色半導体レーザー光源単体の高出力化および高輝度化の実現と、5本のレーザーを集約して1つの光ファイバーに束ねるレーザービームコンバイニング技術の新開発によるものです。
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