続報! 体操競技自動採点支援レーザーシステムを公開。

弊社で何度か取り上げている富士通が開発する体操の自動採点支援システムが着々と実用化に向かっている。

富士通は11月24日、体操競技をITで見える化する技術説明会、を開催。3次元データからAIを使って、選手の複雑な動きを解析するこの技術は、技の高度化・高速化により、肉眼では困難になっていた採点の公平性やスピードアップに繋がると期待されている。25日、群馬県高崎アリーナで開催する「全日本体操団体選手権」に先立ち、前日の公式練習の場でシステムの公開を行った。

3Dセンサーで選手の動きを捉え、1秒間に230万点のレーザー光を照射。反射光が戻ってくる時間を計測して対象までの距離を算出する。得られた3D点群データからAIが骨格の位置を割り出し、手足の曲がり具合や角度、関節の位置を測定する。それを「技のデータベース」と照らし合わせて採点するのだ。

富士通は2016年5月から日本体操協会と共同で開発に取り組み、「技」のデータを収集してきた。今年10月には国際体操連盟とも実用化に向けた共同開発に合意し、国際大会の場でのデータ取得も実施し、本格的な実用化は目前まで迫っている。
今後は種目別の特徴のデータベース化、判定ルールの数値化を進めて行く方針だという。

2020年東京オリンピックで採用されれば、試合中継にてリアルタイムでこのシステムが表示される。そうなれば、これまでは視聴者には分かりにくかった採点がクリアになり、採点時間も大幅に短縮され、より楽しめる中継になるのではないかと期待されている。
躍進を続ける男子体操に続き、女子も村上茉愛(日体大)の金メダルで大きく盛り上がりを見せている。このシステムで2020年の本番が、より楽しみになって来るのではないだろうか。

*日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23873660U7A121C1X20000/
https://www.nikkei.com/content/pic/20171124/96958A9F889DE0E1EAE5E1E4E4E2E0E6E3E3E0E2E3E58AE0E2E2E2E2-DSXMZO2387364024112017X20001-PB1-3.jpg (画像1)

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執筆者:株式会社光響  緒方