研究成果のポイント
- X線自由電子レーザーを10nm以下まで集光できる多層膜集光鏡を開発
- これまでは作製精度の理由から実現困難とされてきたが、1nmレベルで精密な多層膜集光鏡を作製できる新技術を開発し、この問題を解決
- X線自由電子レーザーを用いた最先端X線分析の性能向上に期待
概要
大阪大学大学院工学研究科の山内和人教授、松山智至助教、理化学研究所放射光科学研究センターの石川哲也センター長、矢橋牧名グループディレクター、高輝度光科学研究センターの大橋治彦主席研究員らの研究グループは、X線自由電子レーザーを10nm以下まで集光可能な多層膜集光鏡の開発に成功しました。これまでX線自由電子レーザーを10nm以下まで集光できる鏡の開発は、その作製精度の問題で実現できていませんでした。今回、X線干渉計と精密な形状修正法を組み合わせることで、1nmレベルで精密な多層膜集光鏡の作製に成功しました。これにより、X線自由電子レーザーが到達可能なパワー密度の更新と、それによる全く新しいX線分析の開拓が期待されます。また、医学・創薬に欠かせないたんぱく質などの立体構造を解明することにも貢献し、これによって疾病の原因究明や新薬の開発につながるものと期待されます。本研究成果は、英国Nature Publishing Groupの「Scientific Reports」誌に、2018年11月28日(水)19時(日本時間)に公開されました。
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