(テラヘルツ関連)カーボンナノチューブのテラヘルツ励起子の挙動を解明

低次元材料を利用した高度な光エレクトロニクスデバイスの実現に向けて

研究成果のポイント

  • 半導体カーボンナノチューブ(CNT)※1における光励起準粒子の超高速ダイナミクスを解明した。
  • カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子で構成された1次元(1D)材料であり、量子閉じ込め効果から生じるユニークな特性のため、次世代光電子デバイス材料の1つとして注目を集めている。
  • CNT は、シリコンのような従来の材料では見られないエキゾチックな光物性を有しているが、超高速光物性の解明は進んでいない。今回テラヘルツ波※2放射を用いることで、これまでのフォトルミネッセンス分析とは異なる、超高速な電子の相互作用過程を明らかにすることができた。
  • この成果は、CNT の超高速デバイス応用および新たなオプトエレクトロニクス応用への道を切り開くものである。

概要

大阪大学レーザー科学研究所の Bagsican Filchito Renee Gocong(バグシカン フィルチト レニ ゴッコン)特任研究員、斗内政吉(とのうちまさよし)教授、およびライス大学(アメリカ)、南イリノイ大学(アメリカ)、南洋理工大学(シンガポール)、ウィーン工科大学(オーストリア)、アルバータ大学(カナダ)の国際共同研究チームは、テラヘルツ波と極めて高純度なカーボンナノチューブ(CNT)を利用して、CNT 内の準粒子が強い電界のもとでどのように相互作用しているか、その複雑な高速過程を解明することに成功しました(図1)。

図1. 高配向 CNT で作製した光伝導アンテナスイッチと実験装置の概略図。CNT は、電界の方向に平行に配置。

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