(テラヘルツ関連)ハライドペロブスカイト半導体においてテラヘルツ励起によるホットキャリアの長寿命化を実現

太陽電池材料のフォノン操作による高効率化への新たな指針

概要
京都大学化学研究所の金光義彦 教授、関口文哉 同特定助教、廣理英基 同准教授らの研究グループは、高強度のテラヘルツパルスをハライドペロブスカイト半導体 CH3NH3PbI3に照射すると、光励起キャリアのエネルギー損失速度が小さくなる現象を発見しました。ハライドペロブスカイト半導体は、安価な溶液法で作製できる半導体でありながら非常に高い光電変換効率を持ち、次世代の太陽電池材料として高い注目を集めている物質です。その優れた光電特性は、この物質の特殊な格子振動(フォノン)と深く関係していると考えられていますが、光励起キャリアのダイナミクスにおけるフォノンの役割について、従来の実験では間接的な情報しか得られていませんでした。本研究では、CH3NH3PbI3のフォノンを高強度のテラヘルツパルスによって直接励起し、光励起キャリアのエネルギー分布の時間変化を測定したところ、テラヘルツ励起によって高エネルギーのキャリア分布(ホットキャリア)が増大し、そのエネルギー損失が非常に遅くなることを明らかにしました。この結果は、フォノンを積極的に利用することで光励起キャリアのエネルギー損失を抑制できることを発見したもので、フォノンの制御が光電デバイスのさらなる効率向上の指針となることを示しました。本研究成果は、2021年2月16日に米国物理学会の国際学術誌Physical Review Letters」にオンライン掲載されました。

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