(レーザー関連)東北大学他/温度による酵素の構造変化を分子動画撮影

 

様々な生体高分子のダイナミクスを決定する新たな方法論

【発表のポイント】

  • タンパク質分子の動きを可視化する新たな方法を開発しました。
  • 熱を引き金としたタンパク質分子の構造変化を原子レベルで観察した世界初の報告です。
  • 様々なタンパク質における構造変化や反応の観察が可能となり、新たな分子設計の指針となることが期待されます。

【概要】
生命維持に必須であるタンパク質は巧みに構造変化を起こすことから、タンパク質の複雑な機能と深い相関を持つ“動き”に興味が持たれてきました。最近、X 線自由電子レーザー(XFEL)(注 1)を用いて、タンパク質の動きを原子レベルで動画として可視化する方法が確立されましたが、この方法が使えるのは光で反応するタンパク質に限られていました。今回、東北大学多元物質科学研究所の南後恵理子教授(理化学研究所放射光科学研究センターチームリーダー)、大和田成起主幹研究員(高輝度光科学研究センターXFEL利用研究推進室 先端光源利用研究グループ 実験技術開発チーム)、久保稔教授(兵庫県立大学大学院理学研究科)、岩田想教授(京都大学大学院医学研究科)およびカリフォルニア大学の共同研究グループは、近赤外線レーザーによって温度を急激に上昇させる方法を組み合わせた、新たな分子動画解析法を開発しました。これにより熱によって引き起こされる酵素内部の構造変化を捉えることに初めて成功しました。
本研究成果は、2023年9月18日公開(現地時間)の Nature Chemistry誌に掲載されました。

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