理化学研究所(理研)光量子工学研究センター 未踏レーザー科学研究チームの今坂 光太郎 基礎科学特別研究員、高橋 栄治 チームディレクター、先端光学素子開発チームの山形 豊 チームディレクターらの研究チームは、アト秒(1アト秒は100京分の1秒)という極めて短い時間幅を持つアト秒レーザー[1]をサブミクロン(1,000分の1mm未満)サイズまで集光することに成功し、テーブルトップ型光源[2]由来のアト秒レーザーとして単位面積当たりの光の強さで世界最高値となる3.0×1015ワット毎平方センチメートル(W/cm2)のピーク強度[3]を実現しました。
本研究成果により、これまで困難であったアト秒非線形光学[4]やアト秒レーザー加工など、電子の動きを「観測する」だけでなく、「変化させて利用する」新しい超高速・高強度光科学の研究が大きく進展することが期待されます。
今回、研究チームは、理研で開発・運用しているギガワット(10億ワット)級アト秒レーザー(パルス幅226アト秒)に対して、高精度な楕円面(だえんめん)多層膜ミラー[5]を用いた集光光学系および、焦点位置の揺らぎを抑えながら集光サイズを測定する高空間分解能の測定・解析手法を新たに開発しました。その結果、アト秒レーザーとして世界で初めて、460ナノメートル(nm、1nmは10億分の1メートル)×360nmのサブミクロン集光に成功し、極端紫外域[6]において3.0×1015W/cm2のピーク強度を達成しました。また、ビーム転送の損失を低減することで、2.6×1016W/cm2の強度が達成可能であることも示されました。これは、従来のテーブルトップ型光源によるアト秒レーザーで報告されたピーク強度を100倍以上上回る値です。
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