焦げ目が等高線を強調。レーザーカットされた木製3D地図

DMM.COMが運営するスタートアップ向け総合開発施設『DMM.make AKIBA』。

2014年11月11日にオープンしたこの施設は、ハードウェア開発をトータルでサポートすることを目的とした、総合モノづくり施設だ。モノを作りたい人の為の全てが取り揃えられている。

金属加工、木工、基盤作成にカメラ+撮影ブース。法制、塗装、印刷、3Dプリンター他、必要と思われるものは何でも揃う。他にも、シェアオフィス有り、各種コンサルティング有り、飲食可能の共有スペースまである正に至れり尽くせりの施設だ。

因みに、『DMM.make AKIBA』オープンの総費用は約10億円。そのうち5億円がこれらの設備費というのだから恐れ入る。

この『DMM.make AKIBA』で、9月26日、「DMM.make AKIBA Open chalenge2 Demo Day」という発表展示会が行われ、その中の一つがこれだ。

(図1)

一見して、何だかわからないかもしれないが、

(図2)

こうすると分かり易い。

木製の立体地図だ。

 (図3)

*東京都渋谷区周辺。路線や駅名が書かれている。

Loscaracolesが提供する木製3D地図作製サービス「はだちず」は、地図データから木製の3D地図を作成してくれるサービスだ。等高線を強調したデザインで、平面の地図では把握し辛い高低差が一目瞭然なのが魅力的だ。ジオラマと比較しても特徴が捉えやすく分かりやすい。

オープンデータと連携して独自のマッピングをすれば、自分だけのオリジナリティ溢れる地図を作成することもできる。

「はだちず」作成方法は、まず、場所・範囲・縮尺・凡例・表示データ等の地図レシピを作成する。次に、国土地理院の基盤情報を使用してフリーのGISソフト「QGIS」で等高線データを作成。それを印刷・出力機能を使ってSVG式にエクスポートする。Illustratorで標高ごとのカット用データを作って、レーザーカッターで木材をカット。これを組み立て・接着すれば完成だ。手作業が多いので、自動化が今後の課題の一つとなっているという。

レーザーカッターによる加工でできる焦げ目が等高線を強調して、より高低差が分かりやすくなっている。地図を見るのが苦手だ、という方は一定数以上いると思われるが、そういう方にも親切な地図だ。

教育分野での活用が期待されていると共に、市町村の町おこし・村おこしにも使えるのではないかと注目を集めている。

また、木星地図の上にコルクを貼りつけたバージョンも作成されていて、こちらはピンを刺す等目印が付けやすく、Open Street Mapを使用して道路地図や建物の形も記載できるようになっている。他にも、紙製の低価格版も作成予定とのことだ。

基本的にカットした状態で販売し、購入者が組み立てと接着を行うという方法になるが、パズル仕様になっている製品もあるので、パズル好きの方には純粋に組み立てを楽しんで頂ける、という使用方法もあるのが嬉しい。

 (図4)

*コルク版:東京都稲城市の3D地図。道路や建物が記載されている。

価格は市町村単位で1つ5,000円前後となる見込みだという。

3D地図にしたい範囲をウェブで指定できるシステムの構築も検討しているとのこと。来年を目途にサービス開始を目指している。

参考
*bouncy
https://bouncy.news/wp-content/uploads/2017/09/Hadachizu_02-853×640.jpg (図1、2)

*INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/1083137.html
http://internet.watch.impress.co.jp/img/iw/docs/1083/137/05_s.jpg (図3、4)

「執筆者:株式会社光響 緒方」