レーザーは過去現在未来をつなげるか。人類の夢「タイムマシン」(前編)

大昔には夢物語やただの憧れで終わっていたものの多くを人間は叶えてきた。
飛行機やロケット、もっと身近な自動車だって携帯電話だって、昔の人々からすれば正に夢の機械だ。『人間が想像できることは、必ず実現出来る』、ジュール・ベルヌの言葉そのままに、多くの想像を現実に変えてきたが、しかし、未だ手が届かないままの物もある。タイムマシンもその一つだ。

 某青い猫型ロボットの秘密道具や、タイムスリップ3部作映画の車型タイムマシンを筆頭に、アニメにも漫画にも小説にも映画でも何度となく登場し、悲劇にも喜劇にも奇跡にもシリアスにも使われるタイムマシン。誰だって、過去や未来に行ってみたいと思い描いたことが、一度や二度は有る筈だ。今は謎に包まれた事件をリアルタイムで覗き見たり、未来の世界に青い猫型ロボット的なものが発明されているのか確かめたり、そんなことが自在にできるようになる可能性は、どれくらいあるのだろうか。

 タイムマシン実現の為の理論は中性子星理論、宇宙ひも理論、ワームホール理論等いくつもあるのだが、その中で最も実現が有力視されているのが「光速理論」だ。
 移動速度が光速に近づけば近づく程、時間の流れは遅くなる。アインシュタインの特殊相対性理論で示されたこれは、航空機に乗せた精密な原子時計の遅れ等からも確認された事実だ。そして光速に達すると時間の流れは停止し、更に光速を超えたスピードに達すれば時間は逆行を始めるのではないか、と考えられているのだ。これに基づいて、先ず、光速で地球を周回するロケットを作る。現在研究されているレーザー推進ロケット(光子ロケット)あたりが適任かもしれない。そのロケットで地球の軌道を船内の時間で1週間周回する。そして、地球に戻る。それだけで、着いた先は100年後の未来の地球だ。ロケット内の時間経過は一週間のまま。結果、タイムトラベルは成功する。

・・・わけなのだが、勿論問題点は山積みだ。
実際、現在研究されているレーザー推進ロケットは、全速力でも光速の20%から頑張っても30%程度だと言われている。到底光速には及ばない上に、あくまでも研究中であり完成はしていない。
「でもそれは技術開発が進みさえすればなんとかなるんじゃないの?」と考えたいのだが、そんな単純明快な話では全くもって無いというのが現実の厳しいところなのだ。
特殊相対性理論によると「情報が伝わる速度の最高値は光速であり、それ以上の速度に達することは出来ない」ということになっている。質量のある物質の場合は、時間が遅くなることの他に、質量の増大や長さの収縮もプラスされる為、どれだけ強力なエンジンを積みこんでも、スピードが上がれば上がるほど質量も比例して増える為、加速効果が下がっていき光速に達することは不可能とされている。光速に辿りつけなくても時間を掛けさえすれば未来に行ける可能性は大いにある。しかし、光速を超えられない、ということは

 行ったきりで帰って来られない、ということだ。

仮に100年後の世界に下り立つことができたとしても、これではリアル浦島太郎だ。タイムスリップした人間がそこまで覚悟していれば、それはそれで良いのかもしれないが、なかなか厳しい現実というほかはないし、出来れば帰って来たいのが本心だ。(10日、とか1ヶ月ならダメージは少なそうだが。)
この理論で行けば、タイムマシンの存在する時間軸より過去には遡れないわけだから、片道切符のタイムスリップにならざるを得ない。
恐竜の闊歩する姿を見ることも出来なければ、ピラミッド建設の様子やナスカの地上絵が描かれる瞬間を覗き見ることはできないのだ。仮に未来の世界で猫型ロボットの存在を確認できたとしても、それを過去の世界に伝える術が無い、というのが非常に残念なところだ。
 
そもそも、この「光速を超えれば時間が逆行する」、ということ自体が賛否両論あり、時間軸にマイナス方向は存在せず、光速を超えても時間は停止したままでそれ以上は動かない、という説も有力だ。また、過去に干渉することによる原因の後に結果が生じるという「因果律」の崩壊を止める為に何らかの抑止力が働くのでは、という説もある。(物理学者のスティーブン・ホーキング博士もこの説を支持している。)

 過去に行ける術は無いのか。
未来へ行ける可能性は高いのだからそれで満足すべきなのかもしれないが、行ったきりで戻れないし、未来の情報を過去に送れるわけでもなく連絡手段も無いのであれば、「そのタイムスリップ、意味あるの?」と思う人が現れても文句は言えない、かもしれない。それに、やはり恐竜やマンモスや三葉虫、クレオパトラにシーザーを見てみたいし、邪馬台国の位置だって知りたい。
 

しかし、人とは凄まじい。
この膠着状態を打開する(のではないかという)方法を考え出した人物が既に存在するのだ。
 『人間が想像できることは、必ず実現出来る』
この言葉を正しく実践する人物とその理論に付いては、後編に続くので引き続きお読み頂けると幸いだ。

参考
*マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/20140827-a505/

http://tondemo.net/wp-content/uploads/2017/05/taimumasin.jpg (画像1)

執筆者:株式会社光響 緒方