(発表主体:東京科学大学)
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○発表のポイント:
- 伝熱制御特性を持つフォノニックナノ構造を従来手法の1,000倍以上高速に作製。
- サーモリフレクタンス法とモンテカルロシミュレーションにより、構造内部での熱輸送メカニズムを解明。
- 高性能・省エネルギーな電子機器や量子デバイスの実現に期待。
○概要:
東京科学大学(Science Tokyo) 工学院 機械系の半間大基大学院生、キム・ビョンギ助教、伏信一慶教授と東京大学 生産技術研究所の野村政宏教授らの研究チームは、熱輸送を制御することができるフォノニックナノ構造(用語1)を、その特性を維持しつつ、約1,000倍以上高速に作成できる手法を提案しました。
熱伝導を担う量子であるフォノン(用語2)の平均自由行程(用語3)よりも小さな周期をもつ構造を用いることで、熱伝導を制御できることが知られています。このような構造をフォノニックナノ構造といいます。従来は電子ビームリソグラフィ(用語4)などの手法が広く用いられていますが、加工速度が低く、実用化する上での課題となっていました。本研究チームは、フェムト秒レーザ誘起周期表面構造(fs-LIPSS)(用語5)をシリコン薄膜表面に適用し、従来法に比べて極めて高速に周期構造を形成できることを実証しました。さらに、サーモリフレクタンス法による熱伝導率測定とモンテカルロシミュレーション(用語6)を組み合わせることで、fs-LIPSS構造が長い平均自由行程のフォノン輸送を効果的に抑制することを明らかにしました。
これまでに、フォノニックナノ構造で薄膜の熱伝導率を制御するという研究は多く報告されてきました。今回の成果は、そのような基礎研究成果を社会実装に繋ぐための重要なマイルストーンであり、高性能コンピューティング、オンチップエネルギー変換、量子デバイスなど、サーマルマネジメントが鍵となる分野への応用が大きく広がると期待されます。
本成果は、12月3日付(現地時間)の「Advanced Functional Materials」誌に掲載されました。

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