【レーザー関連】量子科学技術研究開発機構(QST)/複数のレーザービームを高精度で重ね合わせ世界最高のピーク出力を達成


これまでの限界を超える高出力次世代レーザーの実現に道筋

ポイント

  • 光学素子の大口径化によるレーザーの高出力化は限界に達しつつあります。
  • 複数のレーザーを30兆分の1秒の精度で自動的に重ね合わせられる新しい技術を開発し、従来の重ね合わせ技術の約1,000倍となるピーク出力を達成しました。
  • 超高ピーク出力レーザーの実現に新たな道を拓き、今後、極限物質科学から粒子加速器の小型化に至るまで、学術・産業応用分野の双方で大きな波及効果をもたらします。

概要

 量子科学技術研究開発機構(理事長 小安重夫、以下「QST」)関西光量子科学研究所 光量子ビーム科学研究部 先端レーザー科学研究グループの桐山博光グループリーダー、同志社大学理工学部のグループは、複数のレーザーを30兆分の1秒の精度で重ね合わせることにより、「越えられない壁」とされてきたレーザー出力向上の限界を打破する新しい技術を開発しました。それにより、従来の重ね合わせ技術の約1,000倍となるピーク出力を達成しました。

 レーザーを高出力化するには、ビーム口径を拡大する方式が主流でした。しかし、ビーム口径を拡大するにはレーザー装置自身を大型化する必要があり、装置を構成する光学素子の製造プロセスの問題などにより、大型化の限界に達していました。その解決法として、複数のレーザーを重ね合わせて強力な光を生成するコヒーレントビーム結合法が提案されました。しかし、複数のレーザーを完全に重ね合わせるには、極めて高い精度の制御技術が要求されます。そのため、従来の重ね合わせ技術は、30兆分の1秒程度のパルス幅をもつレーザーには適用できませんでした。

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