(レーザー関連)国際共同実験SAPPHIRES、レーザーを用いた暗黒物質探索を始動

– 暗黒物質候補の地上での直接生成・崩壊観測へ向けて –

論文掲載
【本研究成果のポイント】

  • 暗黒物質候補となり得るアクシオン等の軽い未知素粒子の国際共同探索を始動。
  • 2色の強力なレーザーを真空中で混合集光して軽い未知素粒子を直接探索する手法

の実現可能性とその拡張性を、実験室の探索系で示した。

【概要】 SAPPHIRES 国際共同実験[1]
(本論文では、広島大学大学院先進理工系科 学研究科の本間謙輔准教授と桐田勇利大学院生が共同筆頭著者)は、現代宇宙物理学における最大級の謎である暗黒物質の源となり得るアクシオン[2]等の未知素粒子を、2波長の光波から成る強力なレーザーを真空中で混ぜ合わせ、未知素粒子を介した散乱を誘導することにより、直接的にそれらを生成・崩壊させる探索実験を始動し、その探索結果を公表しました。今回の探索では、未知粒子の介在は確認されませんでした。
この結果に基づき、未知粒子の質量と結合に対して棄却領域を求めました。本探索は潜在的な背景事象を理解、定量化するための予備的探索に相当し、今後のレーザーパルスの高強度化により感度が飛躍的に向上することが期待されます。

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