(レーザー関連)京都大学/高輝度・高機能フォトニック結晶レーザー(PCSEL)の進展

-超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けて-

電子工学専攻の野田進 教授、吉田昌宏 同助教、附属光・電子理工学教育研究センターのメーナカ デゾイサ 教授、石﨑賢司 同特定准教授、井上卓也 同助教、坂田諒一 同特定助教らのグループは、従来の半導体レーザーにはない高輝度・高機能性を有し、来るべき超スマート社会実現(Society 5.0)への貢献が期待されているフォトニック結晶レーザー(PCSEL)の最近における様々な進展(未発表の極最近の成果をも含む)に関する総説論文を発表しました。

超スマート社会(Society 5.0)におけるスマートモビリティ(=ロボットや車の自動運転等)やスマート製造(=デジタル化による自動的かつ効率的なものづくり)の実現に向けて、現在、既存の半導体レーザーの低輝度性や低機能性、また、CO2レーザー、ファイバーレーザー等の大型レーザーのサイズや低効率性、高コスト性がボトルネックとなっています。研究グループは、これらのボトルネックを解消し、スマートモビリティやスマート製造分野におけるゲームチェンジを起こすべく、大型レーザーに匹敵する高輝度性を有し、かつ、外部光学系等を用いることなくビーム走査や様々なビームの生成が可能という高機能性を有する次世代半導体レーザー「フォトニック結晶レーザー(PCSEL)」の研究開発を進めてきました。本総説論文では、フォトニック結晶レーザーの高輝度性、高機能性の最近の大幅な向上に加え、短パルス・高ピーク出力化、短波長化、さらには機械学習との融合によるスマート化などの最新動向を解説しています。さらに、その中で、未発表の成果として、大面積(3mmΦ)フォトニック結晶レーザーのキロワット級の高ピーク出力パルス動作と、それによる金属表面へのレーザーカラーマーキングや、GaN系青色フォトニック結晶レーザーを用いた水中における距離センサー(LiDARセンサー)への応用に関する成果についても紹介しています。これらの成果は、フォトニック結晶レーザーの研究開発の一層の加速と、応用分野のさらなる拡大を促すものと期待されます。

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