リアル遺跡探検VR。レーザースキャンと写真測量で4つの遺跡を実写体験。

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世界各地の観光名所と言われる場所は、所謂「遺跡」が数多い。ローマ然りマチュピチュ然り、人は古くからそこにあり歴史を感じさせるものが、自国他国に関わらず好きなのだろう。とは言え、遺跡は好きだが各地に点在する物を一つ一つ訪ねて行くのは大変だ。距離的にも時間的にも金銭的にも、それ相応の余裕がなければなかなかにキツイ。写真や資料で満足しようにも、やはり本物の迫力には及ぶべくもないし、その空間を感じたい。不満を抱えつつも、どうにもならないことだから、と諦めている歴史好き/遺跡好きの方は一定数以上いるのではないだろうか。

そんな方に朗報だ。3つの大陸の4つの遺跡を本物の迫力そのままに体験できるVRアプリがあるのだ。『MasterWorks: Journey Through History』は写真測量法と3Dレーザースキャンを使用して作成されたリアルな遺跡内を歩き回り、立体的な遺跡、専門家による音声解説を通してその遺跡の歴史を学び、感じ取ることができるアプリだ。

*MasterWorks: Journey Through History

現在、収録されている遺跡は4つ。
・タイ・シャム王国第二首都アユタヤ
・ペルー・インカ帝国以前の寺院チャビン・デ・ワンタル(アンデス山脈)
・アメリカ・ラシュモア山の石造彫刻
・アメリカ・崖をくり抜いた造られたネイティブアメリカンの住居メサ・ヴェルデ

狭い隙間を覗き込むことも、見上げた青い空とのコントラストを楽しむことも、個人旅行では望めないような専門家の解説を聞きながら遺跡を巡ることも、全て自宅に居ながらにして堪能することができる。まるで遺跡のあるその場所にいるかのような臨場感は、細部まで事細かに映しだし記録することを可能にした技術の賜物だ。手を伸ばせば、遺跡を形作る石に触れることすらできそうだ。

レーザースキャンによる光検出と距離測定を行う装置(LIDAR)、を製作したCyArk社は、世界各地の文化遺産をスキャンし、データ化して保存することを目的に2003年に設立された。レーザースキャンによる光検出と距離測定を行う装置(LIDAR)、高性能カメラ、ドローン等最新技術を駆使して貴重な文化遺産のデータ化を行っている。インドのラニ・キ・バブ、エジプト・テーベ、日本では曾木発電所遺構が既にデータ化されている他、スコットランドのアントニヌスの長城やエジンバラ新旧両市街等、数多くの遺構が既に記録されている。

また、紛争地域となり保全が困難な状況となっている遺構のデータ化にも力を注いでおり、その際には現地の人々が積極的に携われるように、レーザースキャンやドローンの操作他、継続して活動が行えるような体制づくりにも協力している。CyArk社によると3Dキャプチャは難易度が高く、400㎡程のエリアの撮影に5~7日を要するという。遺跡が広大になればなる程手間暇がかかる作業となるが、出来るだけ多くの遺構を保存して頂きたいものだ。『MasterWorks: Journey Through History』ではリアルな遺跡と共に、急激な気候変動の影響に晒される現状も体感できるようになっている。
紛争地でなくても塩害や雨水・海水による浸食などで崩壊の危機にあるものは多い。いつかは見られなくなるかもしれない遺構データの保存と共に、この『MasterWorks: Journey Through History』で体感できる文化遺産を増やしてくれたらな、と思う人は多いのではないだろうか。

*MasterWorks App Footage

参考
*CyArk
http://cyark.org/

*MasterWorks
http://masterworksvr.com/
https://static1.squarespace.com/static/581122768419c2aecd96f9ac/t/5a6f7ccf652dea8efba27f45/1517255898273/monuments+in+peril2.jpg?format=2500w
(図1)

*MoguraVR
https://www.moguravr.com/masterworks-journey-through-history-vr/

*ROADTOVR
https://www.roadtovr.com/masterworks-uses-photogrammetry-take-guided-vr-tour-4-fully-explorable-heritage-sites/
 https://i0.wp.com/www.roadtovr.com/wp-content/uploads/2018/02/masterworks-4.jpg?w=636&h=358&crop&ssl=1 (図2)

https://i.ytimg.com/vi/2r1YcOIm-UU/hqdefault.jpg (Top画像)

執筆者: 株式会社光響  緒方