(レーザー光源と光干渉計を利用)シリコンウエハーの厚さを高精度に測定

ポイント
・長さの国家標準にトレーサブルなレーザー光源と2台の光干渉計を用いて試料の厚さを測定
・シリコンウエハー内部の屈折率に影響されずに厚さを測定可能
・シリコンウエハーの高精度品質管理に貢献し、半導体性能の向上に期待

概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)工学計測標準研究部門【研究部門長 高辻 利之】ナノスケール標準研究グループ 平井 亜紀子 研究グループ長と長さ標準研究グループ 尾藤 洋一 研究グループ長は、長さの国家標準にトレーサブルに試料厚さを測定できる厚さ測定用両面干渉計を開発し、シリコンウエハーの厚さ測定に応用した。半導体製造では、業界団体がシリコンウエハーの寸法の規格を定めており、厚さは重要な項目の一つである。近年、測定結果の信頼性が一層重要になっており、シリコンウエハーの厚さ測定でも国家標準へのトレーサビリティへの要求が高まっている。また、集積度向上のための三次元積層用のシリコンウエハーではこれまで以上の薄さが求められ、厚さ管理は一層重要となっている。厚さの非接触測定には、分光干渉方式が広く用いられているが、試料内部の屈折率に影響されるため測定結果の信頼性が保証できなかった。今回開発した技術では、可視光を用い表面反射光だけを使用して、2台の光干渉計で試料両側の表面形状を測定し、それらを組み合わせて試料の幾何学的厚さを直接求める。試料内部を透過した光は使用しないので、試料の屈折率に影響されない。また、長さの国家標準にトレーサブルな複数台の周波数安定化レーザーを可視光の光源として用いるため、厚さの測定結果も国家標準にトレーサブルとなる。本技術により厚さが測定された標準試料を用いて製造現場で既に使われている測定装置を校正すれば、計測結果の信頼性が向上する。

この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目