レーザーセンサー搭載。アクティブでアピール上手、最新の植木鉢事情。

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植物は良い。その緑の色だけで癒され香りで癒され、ゆっくりと成長する姿にもまた癒される。例えば、仕事場の殺伐とした雰囲気が観葉植物を配置するだけで幾分か和らぐことがある、なんて風に、そこにあるだけで何となく気持ちを落ち着かせてくれるのは、植物のもつ不思議な魅力だ。
そんなわけで、家庭/職場で植物を育てている、というのはそう珍しくもないよくある話なのだが、「会社が長期休暇だった」、「家族旅行で長く家を空けた」といった理由で水をあげられないことや、「ちょっとくらいあげなくても…」、「うっかり忘れ去っていた」という酷い理由で植物を、人で言うところの断食状態にして枯らしてしまったり、植木鉢を日陰に置きっぱなしにしてしまい成長を悪くさせてしまったり、反対にカンカン照りの日向に晒しっぱなしにしてグッタリさせた、ということもそうそう珍しい話ではない、という現実がある。

植物は自己アピールをしてこない。犬や猫や鳥のようなペットと違って鳴いたりじゃれついたりして空腹やのどの渇きや暑さ寒さを訴えてはくれない。その静けさこそが魅力だ、と言うべきなのかもしれないが、その奥ゆかしさは忙しない現代社会では命取りだ。というわけなのかどうかは分からないが、物言わぬ植物の為の自己アピール植木鉢が今密かな話題となっている。

それが、この『HEXA』。歩いて動いて踊れる植木鉢だ。


図1:「HEXA」

見た目は可愛い、と言えなくもない。目鼻を真ん中にギュっと集めたような顔が結構キュートだ。で、この『HEXA』だが、なかなかにしっかりとした自己主張をしてくれる愉快で楽しい優れものだ。まずはこの動画でその面白おかしい動きをご確認頂きたい。

『HEXA』が植木鉢だということを考えると相当にアクティブな部類になる。何しろ日光が足りなければテクテクと日向に向かって移動し、暑すぎると思えばまたテクテクと今度は日陰へと移動する。蜘蛛のように見えなくもない6本の足を使って、滑る床も障害物も物ともせずに植物を最適環境で過ごさせてあげる為に縦横無尽に動き回り、実に甲斐甲斐しくお世話をしてくれるのだ。


図2(左)、図3(右):youtubeより

勿論、喋れない植物に代わって人間に要求を伝えることも忘れはしない。水が足りなければ駄々っ子のように地団駄を踏んで猛アピールし、満足すれば謎のダンスで喜びを表現。時には日々の生活にお疲れ気味な人間と遊んであげることで癒しまで与えてくれるのだ。


図4:youtubeより

キュートで働き者のこの『HEXA』は開発者が枯れたヒマワリを見て「自分で動ければこんな風にはならないのに」と思ったことで生み出された経緯があるのだが、その思いを実現した植木鉢だと言えるだろう。

そしてこのアクティブ植木鉢は、ナイトビジョン付赤外線720pカメラ、リナックスオペレーションシステム、赤外線送信機に加えてレーザー測距センサー・空間センサーを搭載。活動的に植物のお世話をする為、その見た目に反して最新技術を詰め込まれたハイスペックロボでもあるのだ。
元々『HEXA』は、「プログラミングの知識がなくてもアプリ経由で簡単&自由にプログラミングできる」というコンセプトで作られたロボットだ。安定した6本足の歩行は屋内だけでなく屋内での活動も十分に期待できる。こちらは上から見ると蜘蛛といよりもヤシガニの方に似ていなくもない。


図5:植木鉢なしの原型『HEXA』

また、ソフトウェア開発キット(SDK)が付属しており、実際にコードを書き込まなくても自由にプログラミングが可能で、アプリで簡単操作、赤外線カメラからの映像をスマホで見ることもできる。
開発はVincross。価格は949$で日本円にすれば10万円程。日本への発送も可だが送料/税金は場所によって異なるので要問合せだ。植物は育てたいが不在がちだ、植物が好きだが忘れっぽい、植木鉢でも植物でもなんでもいいから癒されたい程疲れているという方、或いは植木鉢部分は要らないが蜘蛛かヤシガニっぽいけどキュートなロボットに机の上や床をうろついて欲しい、という願いをお持ちの方はVincrossのホームページを覗いて購入を検討されるのも、日々の潤いを手に入れる手段の一つなのではないだろうか。

最近は植物関連の研究も飛躍的進歩を遂げている。同種の植物が虫に食べられていることを察知して警報を出していたり、対害虫用に有毒物質を生成して退治した虫を養分にしてしまったり、根っこで栄養をやり取りしていたり、とこれまで人間が想像もしていなかった植物界の秘密が次々と明らかになり始めている。研究が進めば、いつの日か植物と人間が直接コミュニケーションをとる方法が確立され、日向ぼっこをしながらのんびりお喋りをする植物と人間の姿が日常になる、というファンタジーな未来が、あったりなかったりするのかもしれない。

参考
*Vincross
https://www.vincross.com/

*カラパイア
http://karapaia.com/archives/52262624.html
http://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/6/2/6270cdae.jpg (図1)

*Gigazine
https://gigazine.net/news/20180718-sun-chasing-robot-hexa/
https://i.gzn.jp/img/2018/07/18/sun-chasing-robot-hexa/018_m.jpg (図5)

*TOCANA
https://tocana.jp/2018/08/post_17651_entry.html
https://tocana.jp/images/chasingthesunlight1.JPG (図1)

https://img.fril.jp/img/139696929/l/396689669.jpg?1523766942 (Top画像)

執筆者:株式会社光響  緒方