発表のポイント
- 本研究チームが独自に開発を進めてきた「強レーザー場超高分解能フーリエ変換分光法」に長尺干渉計を導入して計測精度を高めた結果、クリプトンイオン(Kr+)の2P1/2–2P3/2状態間のエネルギー差(微細構造分裂エネルギー)における同位体シフトを測定することに成功し、その結果から相対論効果によって電子密度分布が歪むことを確認しました。
- 原子の2P1/2–2P3/2状態間のエネルギー差の同位体シフトを高い精度で測定すれば、相対論効果による電子密度分布の歪みを明らかにできます。しかし、その測定例は40年程前のバリウムイオンとフランシウム原子の例に限られ、他の原子種では観測されていませんでした。今回、Kr+の微細構造分裂エネルギーの同位体シフトを高い精度(10-5 cm-1)で測定しました。これは「強レーザー場超高分解能フーリエ変換分光法」によって、初めて可能となりました。
- 「強レーザー場超高分解能フーリエ変換分光法」の測定精度をさらに高めれば、同位体シフトに基づいて、標準模型を超えた議論ができると期待されています。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。