発表のポイント
- 気体の原子を0.5ミクロン間隔で格子状に整列させたミクロンサイズの結晶中で隣り合った原子の電子どうしが重なり合う「金属状の量子気体」を世界で初めて創り出すことに成功した。
- 新物質「金属状の量子気体」は米国・EU・英国・中国・日本など主要国家間で開発競争が激化する「量子シミュレータ」の画期的なプラットフォームとして期待される。
概要
自然科学研究機構・分子科学研究所の大森賢治教授、溝口道栄大学院生らの研究グループは、量子力学的な最低エネルギー状態にある気体の原子3万個を0.5ミクロン間隔で格子状に並べて人工結晶を作り、1000億分の1秒だけ光る特殊なレーザー光を照射することによって、気体なのに固体の金属のように、隣り合った原子の電子どうしが重なり合う奇妙な物質を創り出すことに成功しました(→図1)。この新物質「金属状の量子気体」は、米国・EU・英国・中国・日本など主要国家間で開発競争が激化する「量子シミュレータ」の全く新しいプラットフォーム(→図2および動画)として期待されます。
この成果は米国物理学会の旗艦誌「Physical Review Letters」のオンライン版に2020年6月22日に掲載されました。
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