(レーザー関連)超短パルスレーザー加工技術で作製した蛾の目構造を世界で初めて電波望遠鏡に実装

– 宇宙マイクロ波観測装置の感度向上に貢献へ –

1. 発表概要
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)で大学院生として研究を行ってきた東京大学大学院理学系研究科の高久諒太(たかく りょうた)氏、Kavli IPMUの松村知岳 (まつむら ともたけ) 准教授と米国ミネソタ大学のShaul Hanany教授を中心とする国際研究チームは、東京大学大学院理学系研究科および東京大学物性研究所で開発された超短パルスレーザー加工システムを用いることによって、世界で初めて、電波望遠鏡に実装可能な大面積モスアイ(蛾の目)反射防止構造を有する赤外線吸収フィルターの開発に成功しました。研究チームは、開発した赤外線吸収フィルターを米国ウェストバージニア州にある電波望遠鏡のGreen Bank(グリーンバンク)望遠鏡のMUSTANG2レシーバーに対して提供し、搭載されました。
これにより、熱源となる大気や望遠鏡自体からの赤外線放射を抑えながら、ミリ波帯域の光の信号を高感度で捉えて継続的な観測が可能となりました。今回の開発成功は、今後さらに大型の赤外線吸収フィルターが宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光観測装置に搭載される第一歩になると期待されます。

本研究成果は、米国光学会の発行する学術論文誌Optics Expressに2021年11月30日付で掲載されました。

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