(レーザー関連)大阪大学/\100兆分の1秒のダイナミクスを初めて捉えた!/高強度レーザーで固体がプラズマへ瞬間的に遷移

―レーザー核融合や高エネルギー密度科学の発展に期待―

【研究成果のポイント】

  • 高強度レーザー※1で銅薄膜を加熱し、固体状態からプラズマ※2 へ瞬間的に相転移する過程を、X線自由電子レーザー(X-ray Free Electron Laser, XFEL)※3を使った新たな計測法により、100兆分の1秒の精度で捉える高速撮影に成功。
  • この高速撮影により、プラズマの周辺には、固体とプラズマの中間のプラズマ遷移状態が存在することが明らかに。
  • この発見は、物質の4つの基本状態の1つであるプラズマ状態へどのように変化するのかを明らかにするものであり、レーザー核融合の燃料プラズマ形成などの理解促進に期待。

概要

 大阪大学レーザー科学研究所の千徳靖彦教授と米国ネバダ大学リノ校の澤田寛准教授を中心とする高輝度光科学研究センター(日本)、理化学研究所放射光科学研究センター(日本)、SLAC 国立加速器研究所(米国)、アルバータ大学(カナダ)、ローレンス・リバモア国立研究所(米国)、ロチェスター大学(米国)の国際共同研究チームは、X線自由電子レーザー施設「SACLA」による高速イメージングにより、高強度レーザーにより加熱された固体の銅薄膜内部のプラズマへの遷移過程を捉えることに成功しました。高強度レーザーパルスの加熱時間は100兆分の1(10-14)秒程度であり、加熱で生じる高速電子(ほぼ光速で移動)のダイナミクスが、プラズマ状態の発展を支配するため、その瞬間を捉える手法は存在しませんでした。本研究では、X線自由電子レーザー(XFEL)を用いた高空間・時間分解計測手法を開発し、加熱された銅薄膜内部のプラズマ状態への発展の様子を世界で初めて捉えることに成功しました(図1)。

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