自転車を守る、レーザーで描く光る自転車

自転車は、少し練習すれば乗れるようになり免許は不要。一度乗れてしまえば乗り方を忘れることも無く、通学や通勤、買い物に娯楽と子供から大人まであらゆる世代から愛用されている。生活必需品の一部となっている人も少なくはない。ロードバイクの流行や、エコの観点からもこの先自転車の利用者数は増えていくのではないかとみられている。

(1) 図1

気軽に手軽に乗れる自転車は、しかし、事故率も高い。平成26年度の自転車事故の発生件数は11,2134件(警視庁発表)。全交通事故の約20%を締め、単純計算で一日に300件ほどの自転車事故が国内で起こっている計算になる。また、負傷者は107,998名、死亡者は540名で、一日に一人以上が亡くなっていることになる。国も2015年6月に道路交通法を改正し、事故の減少を目指している。
日本だけでなく、海外でも自転車事故は問題となっておりその対策も様々になされているようだが、最近イギリス発のとある製品が自転車業界で大きな話題を集めている。

(2) 図2

自転車のライトから道路に映し出される緑色の自転車。これが、今話題の製品である。
自転車事故は個人の注意力やマナーによって改善できる部分も多々あるが、それだけで勿論防ぎきることは出来ない。自動車のドライバー(大型車両であれば特に)から視認され辛いことも大きな問題となっている。夜間であれば尚更である。この問題は日本でもイギリスでも共通している。この「blaze」は、自転車型のポイントレーザーを地面に映し出すことで、ドライバーや歩行者から認識されやすくする効果がある。

(3) 図3

6m程先の地面に自転車マークを写しだすことで、交差点での自動車や歩行者との事故、大型車両による巻き込み事故などを防ぐ効果があると期待されている。開発したBlaze社によると、通常のライトよりもドライバーからの認識が30%高いということだ。
照射されるマークは視認されやすいグリーンでLEDライトとの切り替えが可能になっており、点滅か点灯かを選択することも出来る。

(4) 図4

重さは182g、完全防水で雨天でも使用可、USBケーブルで充電でき、バッテリーは約13時間となっている。取り外した状態でLEDライトを懐中電灯として使用することもできるが、照射されるレーザー光が直接人の目に当たると損傷を与える可能性がある為、レーザーは自転車にとりつけたブラケットに接続された状態でしか点灯しない仕様となっている。

ニューヨークの自転車シェアリングシステムCiti Bikeが既に導入を決める等世界的にも広がりを見せているが、日本国内に関しては残念ながら現段階での販売は法律的に不可となっている。使用されているレーザーがクラス3Rで、販売の為にはPSCマークの取得を必要とする特別特定製品となるからだ。日本でご使用になりたい方は、BLAZE社がPSCマークを取得して安心して使える日を祈りつつ、気長に待つことになりそうだ。

参考
*BLAZE
https://blaze.cc/?lang=ja&lcur=Japan
*Cyclist
http://cyclist.sanspo.com/172154
*geared
http://geared.jp/sugai/2016/02/blaze_laserlight.html
*FRAME
https://jitensha-hoken.jp/blog/
*https://www.cnn.co.jp/storage/2013/09/16/484bd84c4486b2321dcd6f64caa88220/blueprint-laserlight-blaze.png(図1)
*https://i0.wp.com/jitensha-hoken.jp/blog/wp/wp-content/uploads/2014/06/feature_b.jpg?w=900&ssl=1(図2)
*http://cart.st/corp/wp-content/uploads/20150831_h.png(図3、4)

「執筆者:株式会社光響 緒方」