恐竜発掘現場でも活躍! 古生物学研究に活用される航空レーザー計測

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南米で、東南アジアで密林の下に覆い隠された遺跡が、空からのレーザースキャンによって発見される事例が相次ぎ、考古学ファンを歓喜させているが、もっともっと古い時代、人類誕生より遥か昔の時代の研究にも、ドローンや航空機を使ったレーザースキャンが大活躍している。古生物研究、即ち、恐竜の研究だ。

古生物学で化石を発見する、と言うのは非常に重要な事だ。それが巨大な恐竜でしかも全身骨格だったりした日には、世界的な注目を集めることもある華やかでセンセーショナルな事態だ。しかし、研究というものはもっと地道で根気が必要で、目立つことも注目されることも少ない部分が非常に大切で、そここそが最も重要なポイントであることも多い。古生物学者にとってそれは化石発掘現場のマッピングや写真撮影といったデータ収集だ。殊に足跡化石が発見された場所ではそれは非常に重要な作業となる。

たかが足跡と侮るなかれ。そこから分かることは数多い。群れで行動していたのか単独なのか、足跡が付けられた時の状況例えば捕食者に追われていたのか或いは追う側だったのか、子育てをする種だったのか、といった恐竜の行動や生態。また、体重、姿勢、姿形、歩き方など恐竜の外見に関するデータを収集できる絶好のチャンスを与えてくれるのが足跡化石なのだ。これら貴重で重要なデータを、古生物学者たちはこれまで手作業で集めてきていたわけだが、広範囲にわたる発掘現場のデータ収集は容易な事ではなかった。しかも、その現場が安全で安定した場所であるとは限らない。断崖絶壁のど真ん中のこともあれば、川の中、海の中、100kmにもおよぶ海岸線という場合すらある。一般人が考えている以上に発掘と言うのは過酷な作業なのだ。どうしたって人力では限界があった。

その状況が変わりつつある。変えているのは最新テクノロジーの力だ。ドローン、航空機、カメラ、レーザースキャン等を駆使して広範囲にわたる発掘現場のデータ収集を、詳細且つ高精度で行うことが可能になってきているのだ。

2017年3月、オーストラリア西海岸の1億4000万年前の地層から、21種類もの恐竜の足跡の化石が発見された。足跡21個ではなく、異なる21種類の恐竜の足跡が25kmの範囲に点在しているのだ。正に前代未聞の発見だ。既にステゴザウルスの足跡と特定された物や、種類未確認の1.75mにもなる世界最大の足跡も見つかっており、草食恐竜である竜脚類の一種ではないかと見られている。

従来であればこれらの足跡化石を発見すると、古生物学者たちは自分たちでその大きさを計測し、周辺に他の足跡が無いかを歩き回って探しパソコンに打ち込むという時間と手間がかかり、その上体力も使うという作業を繰り返さなければならなかった。それが、最新技術の導入によって大きく様変わりを始めている。ドローンによる空撮/レーザースキャンによって、手作業とは比較にならない程の広範囲で足跡を捉えることにより、恐竜の動きをより正確に把握することが可能になっただけでなく、収集したデータを3D化することで、体重や歩き方、姿形や行動パターンまで推測することすらできるのだ。

‘Australia’s Jurassic Park’ the world’s most diverse from The University of Queensland on Vimeo.

*‘Australia’s Jurassic Park’ the world’s most diverse

他にも、スコットランド・スカイ島でも50個を超える恐竜の足跡化石が発見され、ドローン等を使って足跡化石の地図が作成されている。潮間帯で発見されたこの足跡群は、場所が場所だけに従来の方法では調査が困難となるところだったが、技術発展の恩恵を大いに受けて今後の研究結果が待たれるところだ。

ドローンやレーザースキャンの導入によって、得られるようになった詳細なデータによってこれまでよりも正確な分析・解析が可能になっている。しかもスピーディーだ。今後、進化した技術によって恐竜のどんな秘密が明らかになっていくのか、楽しみな限りだ。

参考
*IOTラボ

恐竜研究にドローンが活用!恐竜の誕生・絶命の知る大きな手がかりを掴めるか

*GIZMODO
https://www.gizmodo.jp/2017/04/largest-ever-dinosaur-footprint.html

*カラパイア
http://karapaia.com/archives/52257812.html
http://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/5/3/539f514f.jpg (図2)
http://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/7/1/7153916a.jpg (図3)
*The University Of Queensland
https://www.uq.edu.au/news/article/2017/03/australias-jurassic-park-worlds-most-diverse
https://www.uq.edu.au/news/filething/get-styled/large/125630/Walmadanyichnus_hunteri_DK.JPG?itok=Y7fplf_e (図1)

*恐竜図鑑
https://www.kyouryu.info/
https://www.kyouryu.info/img/styracosaurus_top.png (Top画像)

執筆者:株式会社光響  緒方