(レーザー関連)260μmの素子に光を照射するだけで852Vの電圧発生

~発生電圧向上メカニズムを解明~

【研究成果のポイント】

  • ビスマスフェライトにMnを微量添加することで発生電圧が飛躍的に向上。
  • -193℃において852V、室温において280Vの電圧発生を確認。
  • ビスマスフェライトにMnを添加することで、酸素空孔に起因する準位が減少し、フェルミ準位が低下することを実験的に解明。

【概要】
兵庫県立大学工学研究科の中嶋誠二 准教授、藤澤浩訓 教授、清水勝 特任教授、東京理科大学理学部 樋口透 准教授、高輝度光科学研究センター 保井晃 主幹研究員、木下豊彦 主席研究員らの共同研究グループはマルチフェロイック材料であるビスマスフェライト(BiFeO3)にMnを微量添加することで、バルク光起電力効果により発生する電圧が飛躍的に向上することを発見し、また発生電圧向上のメカニズムを解明しました。
 
バルク光起電力効果は現在市販されているSiを用いたpn接合型太陽電池とは全く異なるメカニズムで発電する効果で、中心対称性を持たない結晶に光を照射することで誘起される「シフト電流」により発生することが近年明らかにされ、注目されています。また、従来のpn接合型太陽電池の性能を凌駕する可能性があることが示唆されています。本研究ではペロブスカイト型構造を有するマルチフェロイック材料であるビスマスフェライト(BiFeO3)にMnをドープすることで、バルク光起電力効果により発生する電圧が飛躍的に向上することを発見しました。その結果、Mnを0.5 at%ドープしたBiFeO3薄膜では、わずか260 μmの間に青紫色レーザー光を照射することで、-193℃において852Vの電圧発生が確認できました。これは従来のSi太陽電池の発生電圧0.5Vの約1700倍に相当します。またこれは、BiFeO3にMnをドープすることでその電子構造が変化するためであることを、放射光を用いた軟X線および硬X線光電子分光法、軟X線吸収分光法により解明しました。これらの結果は、従来のpn接合型太陽電池とは異なる、新たな太陽電池の創出に貢献するものです。また、光で駆動する光アクチュエータ等の新規デバイスにも応用できる技術です。

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