◆発表のポイント
- 岡山県赤磐市に所在する鳥取上高塚古墳の墳丘についてドローンを用いたレーザ測量を実施しました。
- 測量で得た墳丘地表面の三次元データを検討の結果、同古墳の墳丘形態は前方後円墳、墳丘長は75m前後と推定しました。
- 同古墳は6世紀後半における備前最大にして、備中のこうもり塚古墳に次ぐ吉備第2位の規模の前方後円墳となり、当時の吉備の地域史を語る上で極めて重要な古墳と位置づけられます。
岡山大学学術研究院社会文化科学学域(文)・光本順准教授とライアン・ジョセフ特任助教、埋蔵文化財調査研究センター・山口雄治助教らの研究チームは、6 世紀後半の岡山県赤磐市鳥取上高塚古墳の墳丘について、レーザシステム搭載ドローンでの測量により墳丘地表面の三次元データを取得し、墳丘の実態を初めて詳細に明らかにしました。成果は、本学文明動態学研究所の査読オンラインジャーナル『文明動態学』創刊号(2022年3月刊行)に掲載されました。
鳥取上高塚古墳については従来詳細な墳丘測量図がなく、墳丘の形(前方後円墳か円墳か)と墳丘の大きさをめぐり意見が分かれてきました。測量の結果、本古墳に関し墳丘長75m前後の前方後円墳と推定し、1990 年代以降の有力説である67mの前方後円墳説よりも規模が大きくなることが判明しました。これにより本古墳は、当時の吉備最大の総社市こうもり塚古墳(前方後円墳・約100m)に次ぐ第2位の墳丘規模となります。備前の鳥取上高塚古墳が、備中のこうもり塚古墳に規模の上で接近することは、当時の吉備の地域史と日本列島の政治史をひも解く重要な知見となります。本研究は、岡山県古代吉備文化財センターと赤磐市教育委員会、本学考古学研究室との共同研究により実現したもので、本学が担った墳丘測量の成果です。
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