―1千万分の1秒の瞬間で元素を透過識別する装置がコンパクトに―
【記者発表:1/27(金)13:00~ オンライン】
【研究成果のポイント】
◆ レーザーの強い光で中性子*1を生成する際のレーザー集光強度と中性子数の間の法則を発見
◆ この法則を用いて、中性子共鳴吸収とよばれる分析を実施、実験試料の元素を同定
◆ これまで数時間かかった計測を1千万分の1秒に短縮、瞬間分析や時間変化の計測が可能に
◆ これまで数10メートルの分析ラインが2メートルに、可搬のコンパクトな装置も可能に
概要
大阪大学レーザー科学研究所の余語覚文教授らの研究グループは、強いレーザー光で中性子を生成する実験を行い、レーザーの集光強度と生成される中性子の数に法則性があることを発見しました。生成される中性子の数はレーザーの集光強度の4乗に比例して劇的に増加することが判明しました(図1)。
さらに、中性子数を飛躍的に増加させた結果、高い強度の中性子数(1011中性子)を、1レーザーショットで生成できることを確認しました。このような多量の中性子が生成可能の場合、様々な応用が可能になります。その一例として、中性子共鳴吸収を用いた物質(元素)の非破壊測定を試験しました。レーザー中性子源の前にタンタル、銀、インジウムからなる試料を設置して、中性子を透過させることで、非破壊で元素の種類と量を測定可能なことを実証しました(図2)。典型的な加速器中性子発生装置を用いた場合に数時間から1日の連続照射に相当するデータを、わずか1レーザーショットによる約1千万分の1秒の瞬間的な照射で得ることができました。これは、レーザー中性子の強度が増加したために可能な技術です。
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