(レーザー関連)京都大学/一つの超短レーザーパルスでダイヤモンド量子センサ源を広領域で作製

―超短時間でダイヤモンドを超高感度量子センサに―

概要
京都大学化学研究所 水落憲和 教授、東海大学 橋田昌樹 教授、京都大学化学研究所 時田茂樹 教授、藤原正規 同特定研究員、升野振一郎 同研究員らの研究グループは、一つの超短レーザーパルス※1をダイヤモンドに照射し、窒素-空孔(NV)中心※2をミリメートルレベルの広域で形成することに成功しました。
ダイヤモンド中のNV中心を用いた量子センサは、高感度、高空間分解能を有することから注目されています。センサとして用いるNV中心の数を増やすほど感度が上がり、室温で超伝導量子干渉計並みの高感度を実現することが期待されています。これまでフェムト秒※3レベルの超短パルスレーザーを用いてNV中心を作製したという報告はありましたが、ダイヤモンドはグラファイト化※4しやすいため、フルーエンス※5を抑えて多数のパルスを照射し、且つNV作製領域はマイクロメートル程度が最大でした。今回、最適な条件を見出だし、一つのパルスでミリメートルレベルという従来の100倍以上の広域で形成することに成功しました。今回、一つのレーザーパルスのみで、高温アニール処理を施すことなく作製できた点は、レーザー光照射によるNV中心の生成機構を解明する点で学術的に重要です。また、応用の観点では、高感度量子センサを作製する簡便、高速な技術として注目されます。

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