2024年6月25日
大阪公立大学
科学技術振興機構(JST)
<ポイント>
- 光濃縮技術により、微量で低濃度なサンプルでも約5分で正確なウイルス計測が可能。
- 従来の製造方法では15~18時間かかっていた抗体のコーティング(固相化)を1分に短縮。
- 抗原抗体反応の大幅な加速により、さまざまな感染症、がん、認知症などの早期診断に貢献。
<概要>
大阪公立大学 研究推進機構 協創研究センターLAC-SYS研究所の飯田 琢也所長、床波 志保 副所長、理学研究科の叶田 雅俊大学院生(博士後期課程2年)らの研究チームは、抗原抗体反応を検出原理とする検査手法であるイムノアッセイ※1 に、光濃縮技術を取り入れた「光誘導イムノアッセイ技術」を新たに開発しました。研究チームは、500nmという極小のお椀構造(ボウル状構造)を持つ光濃縮基板(ナノボウル基板)を作製。それを用いることで、抗体をわずか1分でコーティング(固相化)し、レーザーポインターと同程度の微弱レーザー照射により超高効率な光濃縮を行い、タンパク質の迅速・高感度検出を実現しました。適用例として、人工唾液中の擬似ウイルス(新型コロナウイルスのスパイクタンパク質で修飾されたナノ粒子)を約5分で選択的に検出できること、また、2回目のレーザー照射(図 1(右))無しの場合に比べて10~20倍高感度な計測ができることを実証しました。本研究成果により、煩雑な抗体コーティングのプロセスを短縮し、迅速かつ高感度なタンパク質検出を可能にしました。これにより、さまざまな感染症、がん、認知症などの早期診断に貢献することが期待されます。
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