ドローンによるレーザー測量の現在と未来

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ある山に何らかの大型の施設を建築する計画を立てたとしよう。先ず、測量が必要となる。山なのだから、当然のように木がたくさん生えている。まだ計画段階なのでいきなり地表の測量を目的とした大量伐採は出来ない。しかしながら、計画した建築物を建てられるかどうか、費用は如何ほどかを知る為には地表がどのようになっているのかを事前に知っておくことは必須事項だ。 だが、山林ではその重要な情報は木々に覆い隠されている。

この地表の情報を地表モデル(DEM)というのだが、今までは通常、有人航空機によるレーザー測距「航空レーザー計測」によって計測されてきた。これは正確なデータを知ることが出来る反面、コストの高さが問題となっていた。
ここに参入して来たのがドローンである。

 

現在行われているドローンによる測量のほとんどは写真測量であり、地表にいくつかの基準点を設置してその地点を基に垂直写真を撮影して繋ぎ合わせ、三角測量の要領で図面を作成して行くものだ。技術の発展に伴い、写真測量によって得られるデータ量も正確さも格段に上がり、容易に行えるようになっている。が、しかし、この写真測量には「写真に写らないものは計測出来ない」という拭いがたい欠点があった。それを補い、且つ航空レーザー測量よりも低コストでの計測が可能になるとして、現在大いに期待されているのがドローンによるレーザー測量だ。
ドローンによる写真測量とレーザー測量を比較した場合、以下のような優位点を挙げることが出来る。

①樹木、或いは樹木以外の遮蔽物があった場合でも測量が可能。
②写真測量に使用するカメラのレンズよりもレーザーの照射角の方が広い為、一経路での観測幅が広くなり、計測時間が短縮出来る。
③空中に存在する電線等の障害物の正確な位置を予め図面上に反映出来る為、施工計画立案時に考慮する事が出来る。
④基準点の設置が不要なのでコストの削減につながる。
⑤写真計測が困難な夕暮れなどの時間帯であっても測量が可能。

良いこと尽くめのようだが、未だ解決すべき問題点が残っていることも記しておく。
少し前までは搭載するレーザー測量機の重量が大きすぎるという問題点があり、ドローンは積載量が大きくなれば機体とプロペラもそれに伴い大型化する。プロペラの回転数によって姿勢制御を行っているドローンはプロペラが大型化することによって慣性の力が強く働き止まりづらくなり、姿勢制御への対応が遅れ、結果として墜落する、という危険があった。
現在は非常に軽量化されたレーザー計測システムが開発され販売が開始されてはいるが非常に高額であり、更に、計測後のデータ処理にも設備が必要である為、初期投資に高額である、というのが現状だ。

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(http://image.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1606/27/rk_160623_kashima02.jpg)

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(http://www.drone.jp/wpdronenews/wp-content/uploads/2016/07/160719_main_top.jpg)

とはいえ、既に現場での使用は始まっており、大分川ダム建設工事の際にドローンによるレーザー測量が実施され話題を集めている。また、写真測量とレーザー測量を併用しての請負を開始する企業なども出始めており、これからの発展が大いに期待されている分野であることは間違いない。

参考
ROBOTEER
鹿島
DRONE explore the futuer

「執筆者:株式会社光響 緒方」