インターネット技術の発達と共に増え続けているオンラインでの対戦ゲーム。リアルな戦場を模した物からファンタジーまで、最早ありとあらゆるものを網羅しつくしているのではないか、と思われるこの業界だが、どの世界にも特異なものや異色なものは存在する。
図1
『Xbird』
タイトルからして既に奇妙な予感がするが、そう、鳥しか出てこないTPSである。
オウムにインコにハクトウワシと多種多様な鳥類が文字通り飛び交うゲームなわけだが、単に飛び交うだけの鳥を操作した所で、究極の暇つぶしにしかならない。そして『Xbird』は対戦を目的としたゲームだ。当然、鳥達は戦う。
レーザーを駆使して。
以前にレーザーをぶっ放す海産物ゲームを御紹介申し上げたが、「鳥よ、お前もか…」と思わざるを得ない。ゲーム界のこの流れを見れば、今現在、我々人間が食材としているものたちに攻め滅ぼされる日も近いのではないか、という気がしてくる。
周囲は全て鳥のみ、という状況は、某監督の有名映画を彷彿とさせるが、自分も鳥なので問題は無い。が、対戦ゲームなので攻撃は勿論される。
登場する鳥類はなぜかオッサンじみた鳴き声で叫び交わし、地上に下りれば羽を振って人間のように走り出す。
そして鳥らしく空中に舞いあがったかと思えば、レーザーを吐きだして乱戦を繰り広げ、敵を焼き鳥にすべく戦うのだ。ゲームオーバー時にレーザーに焼かれて落下するシーンはある種の狂気すら感じるシュールさである。
図2
「なんだこれ…」と思わざるを得ないが、ゲーム内容としてはなかなかキチンと対戦ゲームとして成立している。形式としてはオンライン対戦のみのゲームなので、自分以外の鳥は全て敵鳥だ。オウムだろうとインコだろうと鷹でも鷲でも全て敵だ。その敵だらけのフィールドで制限時間内にどれだけの鳥を屠れるかの勝負となる。
ステージによっては、全方位レーザーを放ち続ける球体や、迫りくるエネルギーの壁や天井トラップ等のダメージ源も存在し、それなりのスリルを味あわせてくれる。
自由奔放野鳥気分のジャングルや、飼い主不在の間の室内バトル等フィールドも数種用意されている。鳥になって戦ってみるのが夢だった、という方には、その日の気分でフィールドを選択し、束の間の鳥気分をお楽しみ頂けるだろう。
敵を焼き鳥にした時や、フィールドの宝箱から手に入るコインでランクの高い鳥を手に入れることが出来る。ハクトウワシとなって空を駆ける夢を叶えるチャンスだ。
図3
操作はそれ程難しくはないが、ややスピード感に欠けるところがもったいない。弾速も遅めでヒット感も薄いが、グラフィックは十分に美しい。
図4
価格は驚きの「¥98」。
ゲーム自体に改善点が無いわけではないが、この価格から考えるとかなりのクオリティといえるだろう。
鳥になってみたい、と子供の頃に夢見ておられた方もこの価格なら気軽にお試し頂けるのではないだろうか。レーザーを吐く鳥で良ければだが。
参考
*Xbird Trailer
*http://cdn.edgecast.steamstatic.com/steam/apps/580150/header.jpg?t=1501875250(図1)
*STEAM
http://store.steampowered.com/app/580150/Xbird/
*Game Spark
https://www.gamespark.jp/article/2017/02/14/71582.html(図2、3)
*シバ山ブログ
http://shibayamablog.net/game/game_diary/19798/(図4)
「執筆者:株式会社光響 緒方」