災害現場で活用されるレーザードローン

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伊能忠敬は「大日本沿海輿地全図」を作り上げた。日本史上初の日本全土実測地図だ。全国を隈なく歩き、測量を終えるのに17年。そこから地図の完成までには、更に5年の月日を要した。そこから2世紀を経て、測量技術は大きく進歩した。今や17年かけて国中を歩き回る必要は無く、ドローンを飛ばして、労力も少なく時間もかけずに測量を行える時代になったのだ。

写真測量や空撮の他に、小型のレーザースキャナーを搭載し地表の計測を行えるレーザードローンは、建築現場や林業/森林計測の他にも災害後の現地調査でも大いに力を発揮している。

2016年4月に発生した熊本地震後に行われた被害状況の調査でも、レーザードローンが大いに活用されている。大規模な土砂の崩落が国道325号阿蘇大橋を飲み込んだ現場では、国土交通省の依頼で、二次崩落の危険が無いかどうかの調査が、レーザードローンを使って行われた。震災で斜面を崩落した土砂は50万㎥に及ぶ。地表面に開口部を持つ亀裂が広がれば土砂の崩落はさらに進む可能性があり、撤去作業の際に二次災害を招きかねない。崩れた斜面の上端である崩壊地頭部を取り囲む崖の安全性を評価し、崩落する土砂の量を推定する為の調査が行われた。
震災発生の4日後にレーザードローンにおる調査が行われ、30分の飛行でデータを収集し、その日の疑義には80万㎡もの地形データを作成し終え、国土交通省に提出することができた。

航空レーザー測量は、ヘリコプターやドローンからレーザーを照射し、反射して戻ってくる時間を計測して地形を調査する方法だが、対象となる場所に木や草が生えていても、地表の形状を正確に把握できる。熊本地震の現場では、崩落範囲の広さと共に藪や草木に覆われ、肉眼や写真計測では分からない亀裂の連続性の把握等に大いに役立った。

また、震災現場への速やかなドローンの導入は、平成27年12月10日に施行された改正航空法の為でもある。航空法が改正され、ドローンは家屋や人口密集地域を許可なく飛行することは禁じられている。許可を得る為にはきちんと申請をして、平時なら10日程かかる。しかし災害時に於いては、国土交通省への電話連絡で許可を求めることが可能で、自治体等からの要請があればすぐに飛行禁止区域での飛行が可能になるよう規定されている。

ドローンによる調査はヘリコプターや航空機による調査よりも、対象エリアに接近しやすく、人が入れない箇所の調査も容易に行えるため、災害時の使用が今後も増えていくことは確実と見られている。被災時に度々問題になっている取材ヘリの騒音も、上空からの撮影にドローンを使用することで軽減することも出来るのっでは無いだろうか。災害が起きないに越したことは無いが、いざ発生した際には効果的な仕様で速やかな対策を行って欲しいものだ。

参考
*日経XTECH
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00268/042100001/?ST=nxt_thmdm_robot&P=2
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00268/042100001/01-03.jpg?__scale=w:500,h:261&_sh=0e10670670 (図1)
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00268/042100001/01-04.jpg?__scale=w:500,h:361&_sh=0e70e40960 (図2)
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00268/042100001/01-05.jpg?__scale=w:500,h:225&_sh=08d0570690 (図3)
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00268/042100001/01-06.jpg?__scale=w:500,h:271&_sh=0540930e70 (図4)

*Drone School Japan
http://droneschooljapan.com/column/20170815-2
http://droneschooljapan.com/wp-content/uploads/2017/07/%E7%86%8A%E6%9C%AC%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%A6%E3%82%99%E3%81%AE%E3%83%88%E3%82%99%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B4%BB%E8%BA%8D%E3%81%B5%E3%82%99%E3%82%8A.jpg
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執筆者:株式会社光響  緒方