露海軍フリゲートに搭載の非致死性兵器。効果は幻覚&嘔吐&視覚ダメージ+レーザー誘導妨害。

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戦闘行為は必然的に人を殺傷する。
有史以来変わることなく続いてきたこの前提が覆されるかもしれない。

ロシアのフリゲート艦2隻に新型の非致死性兵器が搭載された。注目のその機能は、相手に幻覚や眩暈、気持ち悪さや吐き気、平衡感覚の喪失といった症状を起こさせ戦闘不能に追い込む、というものだ。実際、多くの兵士にこの症状を起こさせることができるのなら効果的な兵器と言えるだろう。
ロスエレクトロニクス社が開発したこの「フィリン」(ワシミミズク)は、光を使った非殺傷兵器で、強力なストロボのような光を照射することで視神経を攪乱し一時的に視覚障害や幻覚といった副作用を引き起こし、攻撃/反撃/照準能力を奪う為の物だ。銃弾も火薬も一切使わず、人も艦船も傷つけず、回復不能なダメージを人体に与えることもない、兵器という存在としては平和的な兵器と言えるだろう。
「フィリン」の能力はこれだけではない。光を使った兵器であれば、艦内にいる兵士や遮断するゴーグルを装着されてしまえば効果を発揮できないのではないか、と考えてしまうが、開発会社によると「フィリン」は可視光と赤外線を高周波数の輝度モジュレーションに組み合わせたものを放射し、レーザー誘導システムや暗視装置、対戦車ミサイルを半径5kmにわたって使用不可能な状態にすることができるというのだ。
実際に行われた実験の中で、「フィリン」稼働中の目標に対して攻撃の為の照準を合わせることができなかったそうだ。狙いを付けようとした兵士は標的がよく見えず照準を合わせられなかったばかりか、45%の兵士が眩暈や吐き気を感じ、20%は目の前を光の玉が動き回る幻覚を見たと証言している。更にロスエレクトロニクス社によると「フィリン」には一時的に敵の視覚を奪うことさえあるのだという。艦船対艦船の戦闘で大幅に役立つというシステムではなく、対ヘリコプター、対ドローン、小型線の乗員等に対しては大きな効力を発揮することが見込まれている。

「フィリン」は既にロシア海軍のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」、「アドミラル・カサトノブ」に搭載され、現在建造中の2隻の艦船にも搭載が決まっている。

そしてこのような非殺傷型兵器の開発を行っているのはロシアだけではない。アメリカも、音と光で兵士の戦意を喪失させるレーザープラズマ兵器「LIPE」を開発している。
歴史上、安全な戦争、死傷者の無い戦争など存在したためしはなく、戦場とは必然的に血生臭いものだったわけだが、それが僅かなりとも減少するのかもしれないししないのかもしれない。視覚の喪失や幻覚が本当に一時的なものなのか、後日になって重大な副作用のようなものが出たりしないのか等気になるところはあるが、戦争自体が無くなる見込みは無さそうな現状で、少しでも血が流れない方向に進むのならそれはそれで良いのではないだろうか。

*THE WEEK
https://www.theweek.co.uk/99436/5p-42-filin-russian-navy-fits-warships-with-hallucinogenic-weapons

*カラパイア
http://karapaia.com/archives/52270849.html

*BIGLOBEニュース
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0209/kpa_190209_5914050491.html

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5a/Admiral_Gorshkov_frigate_03.jpg/300px-Admiral_Gorshkov_frigate_03.jpg (図1)

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/omaketarafuku/20120531/20120531170734.jpg (Top画像)

執筆者:株式会社光響  緒方