(LiDAR関連)自動運転や運転支援システムの作動環境が拡大

三菱電機株式会社は、濃霧や豪雨などの悪天候時でも、車両周辺の状況を高い精度で検知できる「悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術」を開発しました。車載センサーの検知精度が著しく低下する悪天候時でも、自動運転や運転支援システムが安定的に作動することが期待できます。

開発の特長

1.複数の車載センサー情報を信頼度に基づき選択・統合し悪天候でも高精度に検知

  • 複数の車載センサーが検知した同一対象物の速度・車幅・向き・距離などの時系列データを瞬時に分析し、センサーごとの特性を基に、天候などにより変化する情報の信頼度を推定
  • 複数のセンサーから得た信頼度の高い情報を選択・統合することにより、悪天候時でも高い検知精度を維持

2.悪天候でのAEB性能実験で効果を実証

    • 実車を用いて、前方障害物の検知による AEB※性能の実証実験を実施し、前方静止車両に接近する一定条件において、最大時速 40km 走行時でも衝突回避機能の作動を確認
    • センサーの検知精度が落ちて作動しなかった悪天候時でも、衝突回避機能の作動を確認

開発の概要 

検知手法 性能 環境 作動域[km/h]
今回 複数センサーで検知した障害物の情報を信頼度に基づき選択し統合 豪雨・濃霧時にAEB 作動 雨量
[毎時 mm]
80 10~40
霧・視程[m] 15 10~15

従来

予め定めたセンサーの検知分担に基づき障害物の情報を取得し統合 豪雨・濃霧時にAEB 作動不可 雨量
[毎時 mm]
80 作動不可
霧・視程[m] 15 作動不可

今後の展開
今後、実環境での評価および改良を継続し、2023年度以降の実用化を目指します。近年、車両にはさまざまな位置にセンサーが搭載され、全方位型の運転支援システムが導入され始めています。今回は前方障害物の検知によるAEBの実証実験を実施しましたが、今回の開発成果は、悪天候時の車線逸脱防止や自動運転による車線変更などにも応用が期待できます。

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