レーザー加工の精密パーツ。稼働可能な木製エンジン模型がKickstarterに登場。

星型エンジンと言えば20世紀前半に航空機や鉄道、船舶にも搭載され活躍したレシプロエンジンだ。その名の通り放射状に並んだシリンダーが特徴で、零戦や隼といった戦闘機、大西洋横断を成し遂げたリンドバーグの愛機「スピリット・オブ・セントルイス号」、BMWやアルファロメオのような名自動車メーカーに採用され、20世紀後半のジェットエンジンやロータリーエンジン登場まで、乗り物等の動力源として広く活用されたエンジンの名品だ。
その星型エンジンが意外な形で復活してKickstarterに登場し、マニアたちの注目を集めていることをご存知だろうか。それがコレだ。


図1

驚くなかれ、何と木製の星型エンジンだ。
星型7気筒、二重星型14気筒として零戦に搭載された栄等が有名だろうか。当時最も広く使われたレシプロを驚くほど忠実に再現している。


図2:中島飛行機製造星型エンジン「栄」

レーザー加工で正確にカットされて組み上げられたパーツは、壁掛けのインテリアとして鑑賞できるだけでなく、クランクシャフトを回せば1気筒おきにピストンが稼働する星型エンジンの特長的な動きを堪能することすらできるのだ。


*Morris Models Radial Engine Prototype in Action

木で作られているとは思えない滑らかな稼働具合だ。モーターによる稼働も可能とのことだがベアリングが無く摩耗してしまうので製作者は推奨していない。
レーザーカットされたパーツの数は数百点にもなり、プラモデルや通常の模型のように接着剤を使って組み立てていく。一点物として自分で削りだし一つ一つ作り上げるのはモノづくりの醍醐味だが、そこまでの技術は無いがやってみたい人、プラモデル感覚で作りたい人、レシプロエンジンの仕組みを組み立てながら知りたい人なんかには、レーザー加工で正確にカットされたパーツ群の製品というのは、おススメだ。


左)図3  右)図4

3mm合板を使ったスタンダードサイズは直径約36cmと壁飾りとしてちょうど良いサイズ感だ。もっとビッグサイズで楽しみたい人には、合板/パーツサイズが2倍、3倍、4倍という大型も準備されているので是非とも堪能して頂きたい。
インテリアとしてだけでなく稼働する様子を楽しみたい方は、レーザーカットされた大量のパーツ群を一部の隙も無く組み上げるという精密さ、他の部品に接着剤が触れないようにする細心の注意力といった部分も要求されるので、根気や集中力が必要となる。正に物づくり魂を刺激される逸品となるのではないだろうか。

この星型7気筒エンジンと同時に、1950年代のハーレー・ダビッドソン・スポーツスターのエンジンをモデルにしたVツインエンジンも販売予定となっているので、バイク好きの方も要注目だ。スタンダードサイズで約34×47cm、勿論こちらも動かすことができる。


*Running V-Twin Engine Morris Models

2019年6月頃から出荷予定。気になる価格は星型エンジン、Vツインエンジン共にスタンダードサイズで100ドル(約11,000円)。日本までの送料は30ドル(約3,300円)となっている。
3月14日までクラウドファンディングを実施しているので、興味のある方は参加を検討されるのも良いのではないだろうか。

最後に、航空機・戦闘機に搭載されてしたこの星型エンジンを、バイクに積んでしまった猛者が存在するようだ。


左)図5:星型9気筒エンジン搭載「レッドバロン」3600cc/150馬力
右)図6:星形7気筒エンジン搭載、最高時速365km。JRL CYCLES社製

エンジン音がどう考えてもバイクの代物ではなくなるような気がするが、世の中には色んなことを思いつく人がいるものである。

参考

*KICKSTARTER

https://ksr-ugc.imgix.net/assets/024/042/775/d149e4271b1be65f291b5d739c187cc6_original.jpg?ixlib=rb-1.1.0&w=680&fit=max&v=1549755760&auto=format&gif-q=50&q=92&s=fc671a25b36e827c9e61ee75fe3461cb (図3)

https://ksr-ugc.imgix.net/assets/024/042/765/8348241ebc990261cb60845b31f403e3_original.JPG?ixlib=rb-1.1.0&w=680&fit=max&v=1549755661&auto=format&gif-q=50&q=92&s=7975d8634875b51a9161fffe391a59dd (図4)

*fabcross
https://fabcross.jp/news/2019/20190220_lasercutenginekit_vtwin_radial7.html

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-3a-52/bismarck2011/folder/151376/81/935081/img_0?1518558565 (図2)

https://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/18/nt_181018radialenginebike05.jpg (図5)

https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/img/080205bike_04.jpg (図6)

執筆者:株式会社光響  緒方